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☆700a. 羽田空港の階段  (ミュージアムの階段、番外篇)

カサブランカ、still from Casablanca 1942 Warner Bros.
(Casablanca 1942, Warner Bros.)


映画「カサブランカ」のラストシーン、飛行機のタラップを昇っていく二人を、手前から見送るリックと警察署長の後姿・・・。というわたしの記憶は、まったくもって捏造されたものであった。フィルムを見返してみると、タラップなんてちっとも出て来やしない。階段マニアにとっては不満の残る名作でもあったのである。


ブログの友人、ヨナデンさんのWEBサイト 『もうDIYでいいよ。』 は、いつも新しい情報と驚くほどの楽しさを伝えてくれる。DIYやインテリアデザインやGoosehouseなどに関するいくつもの素晴らしい記事があるが、それは直接見ていただくものとして、今日は、先に完結したヨナデンさんの 『羽田空港 名作イス』(全4回、必見!) という感涙物のシリーズへのオマージュとして拙い記事を書いてみた次第である。御笑覧のほどを。


さてヨナデンさんに倣って羽田空港を歩いてみたものの、これといった階段が見当たらない。通りがかった空港長 (バート・ランカスターではない) と機長さん (堀北真希ではない) に訊いてみると、それもそのはず、空港はユニバーサルデザインの最前線のようなものであって、いわば階段は余計ものなのである。


しかし階段マニアたるものそれでめげたりはしない。否定の言葉に押しつぶされても這い上がり戦い続けたアンジェラを見習って、まわりを見渡してみると、果たして・・、
羽田空港ならではの階段がありました!



◎PS06、ANA  ◎PSJAL1

それがこの画像である。
通称、「パッセンジャー・ステップ」。タラップ車ともいう。
むりやり訳せば "乗降者用階段車" である。

タラップと言えば、古くは、ビートルズ来日の図が目に浮かぶし、
最近では、缶コーヒーのおまけに、チョロQ型のタラップ車がついてきて喜んだ記憶もある。
画像に戻れば、左がANA、右がJAL、両者ともそれぞれに魅力的である。
けだし、立派な、"空港の階段" と言えよう。



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☆ 700. バウハウスの階段/階段のジョーク

①バウハウス資料館、ベルリン

001CIMG0404 (4)


"ミュージアムの階段" シリーズも最終回を迎えた。
掉尾を飾るのは「バウハウスの階段」である。しかし飾りものになるほどこの記事は立派なものではない。
だから副題を   バウハウスの巨匠、オスカー・シュレンマーに倣って    『階段のジョーク (Treppenwitz)』と付けておいた。最後まで読んでいただけると幸いである。



②バウハウス資料館の階段ならぬスロープ (クリックすると大きな画像が開きます)

002building hintz (3)

2005年の映画 「Æon Flux 」 (2005,MTV Films) は、バウハウスの建築が全編にわたって登場していたことで記憶すべき作品となった。シャーリーズ・セロン扮する反政府組織モニカンの女戦士が、この印象的なスロープ(傾斜路)にきりりと立つ姿、それは見事でありました。そしてもちろん、スロープとは階段の化身のことなのである。


③椅子の空中階段

007Part of the Bauhaus Archiv Berlins collection of Marcel Breuer and Cantilever chairs (2)

バウハウスの誇る歴史的な名作ともいうべき "椅子" が、空中階段を形づくるの図、である。
バウハウス資料館の展示、「Marcel Breuer and Cantilever chairs」 の一部である。
これもまたみごとだとしか言いようがない展示だと思う。似たようなものをIKEAでもという人がいればどうかしてるゼと思う。
(画像は、bauhaus.de より。クリックすると大きな画像が開きます)



④バウハウス、デッサウ校の階段

008Walter Gropius famous school building marks the starting point of the Bauhaus establishing in Dessau.  009,18730a75c52972af0660e4586024a907

ベルリンから離れて、デッサウ・バウハウスに行くと、そこにはヴァルター・グロピウスの設計による美しい階段が迎えてくれる。そのデザインは少しも古びることなく今も輝きを保っている。これぞモダン建築の見本のような作品である。
((画像は、bauhaus-dessau.de より。クリックすると大きな画像が開きます)



⑤オスカー・シュレンマー 「バウハウスの階段」

004Oskar Schlemmer,Bauhaus Stairway 1932,MOMA  005Roy Lichtenstein, ‘Bauhaus Stairway’, 1989

このデッサウ校の美しい階段を描いた作品として有名なのが、オスカー・シュレンマーの 「Bauhaus Stairway(バウハウスの階段)」(1932)である。 同じMoMAには、約60年後にリキテンシュタインが描いた「バウハウスの階段」(1989)が展示されている。こうして並べてみると、両者の魅力が一層はっきりと表れてくるように感じる。
(画像は、ニューヨーク近代美術館のサイトより)



⑥オスカー・シュレンマー 「階段のジョーク」

006Oskar Schlemmer--Stair Joke, a pantomime.

「Treppenwitz (階段のジョーク)」とは、オスカー・シュレンマーの企画による舞台芸術作品のひとつである。2008年の東京藝大の「バウハウス・デッサン展」では"バウハウス・ダンス"のひとつとしてこの作品の映像が流されていたように思う。パントマイムあるいはミュージカルのようなもの、というと大雑把すぎるだろうか。再見を願って、YouTubeを探してみたのだが見つからなかったのは残念。同じシュレンマーの「triadische Ballett」という作品のほうは、幾つか動画がアップされていたので関心のある方は、そちらを。
(画像は、The Hekman Digital Archiveより。クリックすると大きな画像が開きます)



⑦デッサウ・バウハウス、Masters' Housesの階段

010House Kandinsky detail 2  011House Kandinsky detail  012House Klee detail 1  013House Klee detail 2

デッサウ・バウハウスには、ヴァルター・グロピウスの設計による「Masters' Houses」と呼ばれる戸建住宅が幾つか遺っている。バウハウスのアーチストや教師たちの住居である。画像は、そのなかのカンディンスキーの住宅(左の二枚)と、ポール・クレーの住宅(右の二枚)の階段である。この色使いのみごとさ!少しだけため息がでてすぐには消えずに白く残った。
(画像は、bauhaus-dessau.deより)



⑧バウハウスの・・・

RETRO IMAGE Apparel BAU-LS Bauhaus Exhibition Long Sleeve (2)

"逆光の自転車屋"というブログタイトルをつけたのは、わたしも下手な自転車乗りのひとりだからである。
だから、ベルリンとデッサウ・バウハウスを見た記念として、あるいはヴァイマル・バウハウスを見られなかった記念として、このサイクル・ジャージを買い求めたのも当然の成り行きであった。バウハウスのポスターの図案を身にまとった姿は、友人たちに言わせるとイタイ/ニアワヌと意見が相半ばしている。

以上、報告します。



(ミュージアムの階段、完)




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☆ 699. 無垢の博物館 (ミュージアムの階段)

無垢の博物館


オルハン・パムクの長篇、「無垢の博物館」(2008)、小説の舞台は1970年代のトルコ、イスタンブール。
登場するのはケマル、三十代の男、これは彼の愛の物語である。
物語の途中で、彼が愛する女性の為に、映画製作に関わる場面がある。
その社名は「レモン映画製作社」。
いい名前だなぁ。レモンとは、彼女が飼っていたカナリアの名前なのだという。

トルコ初のフルーツ味サイダー、メルテム。その新聞広告やテレビコマーシャル、あるいはイチゴや桃、オレンジにサクランボといった味の実際の製品がわたしの博物館には展示してある。あのころの満ち足りていて愉快な、そして溌剌とした雰囲気や、脳天気さを思い出させてくれるからだ。
(宮下遼訳)


”博物館”とは、後に、彼が愛した女性の持物や思い出の品を展示するために作った私設博物館を指す。
”フルーツ味のサイダー”は、まさに恋愛が始まった頃の彼の気分を象徴するアイテムとして示されている。物語の最後にも、このサイダーにまつわる小さなエピソードが登場してくるのだが、それがすこし哀しい。

そして、驚くべきことに、2012年にこの博物館は実際のものとなった。
イスタンブールの新たな観光名所となっているという。
画像は、このミュージアムの階段である。

フィクションの中のものだった筈のミュージアムが、こうして現実のものになって現れてくる。
もちろんわたしはこれが前例になればよいと思っている。    キャロルの犬博物館、ミルハウザーのバーナム博物館、マンディアルグの黒い美術館、イーザウの盗まれた記憶の博物館、ディックの顔のない博物館等々、ぜーんぶ現実のものになってあらわれて一堂に会しちゃったりしてテーマパークみたいになってしまったとしたら・・・、ああどんなに愉しいだろうか。



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☆ 698. 大英博物館 (ミュージアムの階段)

British Museum, London - Elliott Erwitt, 1995
 (phot; 「British Museum, London」 - Elliott Erwitt, 1995 )


"大英博物館の階段"としてどの階段を選ぶかというのは、ちょっとした大問題(形容矛盾か?!)である。
正面玄関の階段か、メインホールの大階段か、グレートコートの閲覧室周りの階段か、それとも博物館内部のどこかちいさな階段を選ぶのか。さらに現在の姿か、古き良き時代の画像か・・・。悩みは尽きない。


South entrance and Museum forecourt

もちろん、この正面の姿も捨てがたい。
古代ギリシャ建築を模した円柱、三角形の破風、そして階段の組合せ、
まさに"ミュージアムの階段"の理想的な姿と言えなくもない。


Frederick York, Main Entrance Hall and Grand Staircase, a photograph1875
(phot; 「Main Entrance Hall and Grand Staircase」- Frederick York,1875)


しかし、どれか一枚ということであれば、わたしはこの写真にとらえられた古き時代の階段の姿を選んでみたい。フレデリック・ヨークという写真家が1875年に撮ったメイン・エントランス・ホールと大階段の写真である。・・・階段の半ばで立ち止まっている男たちは、撮影の機材をセットしていることに気づいて後戻りをしようとしたらしいと、写真にはそんなキャプションが付いている。一方、階段の入り口左側のベンチに腰を下ろしている二人の男はゆったりと落ち着いた様子である。こちらは、この写真のためのモデル役だったのだろうか。それとも、やはり写真家を気にして腰を上げようかどうか考えているところだったのか。いずれにしても、そんな瞬間の雰囲気を、写真家はみごとにとらえたに違いない。そう思うのである。




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☆ 697. ブラマンテの階段/バチカン美術館

bramante-staircase (8)


バチカン美術館の階段といえば、誰もがすぐにあの華麗な二重螺旋の階段を思い浮かべるだろう。
しかし、ルネサンスの建築家、ドナト・ブラマンテが設計したオリジナルの螺旋階段は、上の画像のような石造りのもので、優美というよりは、武骨で壮麗なものだったのだという。

当然のことながら、16世紀当時のバチカンには、このような新しい構造の螺旋階段が生まれてくる背景があった。つまり、宮殿のなかに大量の荷物を運び上げるロバや馬の為には、こうした傾斜路がぜひとも必要だったというわけである。



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☆ 696. ダリュの階段/ルーブル美術館 (ミュージアムの階段)

© Musée du Louvre A. Dequier
(© Musée du Louvre ,A. Dequier)


ルーブルの階段について書くのは簡単だ。
ただ、上のような画像をあげておけばいい。
しかしこれでは記事とは呼んでもらえないだろう。主役は、彫像なのか、階段なのか?!
愚考の末に持ってきたのがこの画像なのであるが。


© Paramount Pictures
(「Still of Audrey Hepburn in Funny Face (1957)」、© Paramount Pictures)

ダリュの階段の上で華麗なポーズを決めるのは、われらが "オードリー" である。
1957年の映画 『パリの恋人(Funny Face)』 の一場面である。
これなら主役は彫像ではなくて階段、いや、やはり主役はオードリーの方か。



ダリュの階段

"ミュージアムの階段"というタイトルにかけて、主役は「ダリュの階段」であらねばならぬ。
というわけで、見つけてきたのが louvrepourtous.fr というサイトによるこんな動画である。
→ 『Musée du Louvre : Escalier Daru (クリックすると動画が開きます。音量注意)
ただただ階段の画像が流れるだけというみごとな代物。      ここで初めて"ミュージアムの階段"が主役になれたのだと思う。


(Reference)

<傑作を美しく包み込むダリュの階段>
ダリュの階段は、ルーヴルの建築家たちが長い年月をかけて作り上げたものです。
1809 年から1812年にかけて、ピエール=フランソワ=レオナール・フォンテーヌが、スフィンクスの中庭の北側に美術館のエントランスとして最初の階段を建設 しました。ナポレオン3世の治下、エクトール=マルタン・ルフュエルにより、ドゥノン翼とシュリー翼が交差するスペースとして、新たな大階段が設計されま した。1884年、4年にわたる修復を終えた《サモトラケのニケ》がその頂に設置され、一般の人々に披露されました。1934年、アルベール・フェランがこのスペースの建築と照明の改修工事を担当、1920年代に流行したアールデコ様式で完成させました。シュリー翼とドゥノン翼をつなぐ重要な通路も、この機会に改修され、2015年春の完成を目指します。
(http://www.louvre.fr/jp)





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☆ 695. 解剖劇場/階段教室 (ミュージアムの階段)

解剖劇場、MuseumnachtLeiden2010


上の画像は、オランダ・ライデンの「ブールハーフェ博物館」に復元された16世紀の "解剖劇場" である。解剖劇場(anatomical theatre)とは何か、という点についてはここでは語らない。WIKIでも、レンブラントでも参照されたい。

それよりも、わたしは、これを "階段教室" の一種と見立てたいのである。劇場というものの、本来は大学のなかに設けられた解剖学講義(公開講義)の場であるのだから、わたしの見立ても乱暴なものではないと思う。・・・そして、これに対照したいのは、こんな画像である。


学習院大学ピラミッド校舎20080121-pyramid_interior


こちらは正真正銘の階段教室である。
既に解体された学習院大学のピラミッド校舎(1960-2008,前川國男設計)である。
この奇妙で且つ美しい教室も今は見られない。在りし日の姿はWebでもウルトラセブンでも参照されたい。    わたしは、ただゆっくりと、中世のライデン大学から現代のピラ校までつながる階段教室の遙かな歴史に思いを馳せたいと思うのである。



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☆ 694. ルートヴィヒ美術館・ケルン (ミュージアムの階段)

Ludwig Museum
(Photo;This is a file from "Wikipedia" )


ルートヴィヒ美術館は、ケルンの大聖堂に隣接する場所で1976年に開設された。コレクションは、近現代美術品が中心である。ピカソの作品の収蔵点数では最大級の美術館の一つである。
と、そんな案内はここまでとして、わたしが紹介したいのは次の二点である。

一つは、美術館の建物である。
正確には、この金属屋根である。
ぜひとも "階段屋根" と呼びたいのだが、どうか。


RICHTER_1966_Ema-620x948.jpg
(Ger­hard Richter、Ema - Nude on a Stair­case, 1966)

二つめはルートヴィヒ美術館のコレクションから、「ドイツ最高峰の画家」と称されるゲルハルト・リヒターの作品、『エマ-階段の裸婦』(1966) である。
独自のフォト・ペインティングという手法で描かれた階段は、いや裸婦は、夢のなかから登場するポップ・スターのように眩しい。画面全体を"ぼかし"ているにもかかわらず、たしかに"まぶしい"のである。大聖堂を見ずともEMAは見るべしと、小さな声で申し述べておきたい。




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☆ 693. 緑の部屋、その2

Kaisertreppe3 (Emperors Staircase)
(ミュンヘン・レジデンツ、皇帝の階段)


先の記事で、『これほど美しい"みどり"を見たのは初めてだ、そんな気がした』、と書いた。ヴュルツブルクのレジデンツを見ての率直な印象だった。ところが、それはほんの前触れにすぎなかったのである。ドイツの近世の宮殿を見て歩くと、次から次へととんでもなく優美な "緑の部屋" が現れてきたのである。


Munich Residenz02

ひとつめは、ミュンヘン・レジデンツの"緑の部屋"(grüne galerie)である。
18世紀の王侯のギャラリーを、当時のままの姿で見せてくれる。
この部屋の"みどり"は、御覧のように、"金色"と組み合わせられた緑である。
GreenとGoldの組み合わせ! みやびである。仮に、わたしの緑の車に金色のホイールをはかせてみると、これは下品のような気がするが。


○Queens bedroom

ふたつめは、ミュンヘンのニンフェンブルク城の緑の部屋(Queen's bedroom)。
18世紀のバロック様式の宮殿である。王妃の寝室は、しかし、抑えられた色調のみどりが魅力的である。


ドレスデン、緑の丸天井

三番目は、ドレスデン美術館の"緑の丸天井"(ザクセン王家の宝物展示室)である。
中世の王家の宝物庫が、後に18世紀のバロック様式の展示室(博物館)として改装・公開された建物である。第二次大戦で破壊されたものが、修復され2006年に改めて開設された。画像は、Silver Gilt Roomと呼ばれる部屋である。こちらの緑も、金・銀の華麗な装飾品と組み合わせられた緑色である。主役は金・銀に譲るものの、緑が部屋の雰囲気を実質的に支配しているように感じられるが、どうか。


さてさてさて、最後になってしまったが、付けたしのようになってしまったが、"ミュージアムの階段" である。
レジデンツのインペリアル・ホールには、「皇帝の階段」というものものしい名前の階段が設けられている。
17世紀初頭のマクシミリアン1世(バイエルン公)によるこの宮殿は、はるか12世紀から続く王家の栄華を表したものだという。階段もまた、豪奢である。この内装の華麗なこと! 絨毯や床材の臙脂色も優美である。これは緑ではなく、この色でよかったか。



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☆ 692. 階段の間と緑の部屋

☆treppenhaus,Residenz Würzburg
(ヴュルツブルク・レジデンツ、階段の間)


"ミュージアムの階段"を象徴する存在は、わたしの中には二つあって、一つはメトロポリタン美術館のエントランスの大階段、もう一つはドイツ、ヴュルツブルク・レジデンツの階段の間である。

ヴュルツブルクのレジデンツは、18世紀に建てられた。その美しさは、ヨーロッパのバロック形式の宮殿の中でも屈指の存在である。そして、建物内部には、あの有名な "階段の間" がある。その部屋は、柱の無い広大な吹き抜けになっていて、天井にはティエポロの描いた大きなフレスコ画が飾られている。その優美さは、この世のものとは思えない・・・。


このどこかのガイドブックのような美辞麗句だらけの説明がそっくりそのままわたしのなかに刷り込まれていて、ああいつかこの目で見たい、早く見たい、いつまでも見ていたいと、そんな調子で"階段の間"との出会いのときを待ち焦がれていたのだった。

実際にこのレジデンツを見て、"階段の間"の期待どおりの優美さにためいきをついたわけだが、宮殿をめぐり歩くなかで、最もこころを揺さぶられたのは、その部屋ではなかったのだから、わからないものだ。


☆gruenlackiertes,Würzburger Residenz
(ヴュルツブルク・レジデンツ、緑の部屋)

ではいったい何にこころを動かされたのかというと、それが、この"緑の部屋"なのである。
画像のとおり、ほぼ全面みどり一色の部屋!
この濃いみどりの色調に、また漆塗りのような色感に、そして部屋全体に漂うみどりいろの雰囲気に深くこころをうたれたのだった

ロンドンのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムの"モリス・ルーム"(The Green Dining Room)の暗いみどりの部屋も素晴らしいものだった。モリス自身は、中世の芸術に憧れていたそうだが、その作品は近代デザインの源となったといわれているように、とても"モダン"な感覚のものでもあると感じた。
比較すると、ヴュルツブルク・レジデンツのGreen Roomのほうは、中世とまではいかないが、"近世"の古めかしさと優美さがようく現れていたという気がする。大袈裟かもしれないが、これほど美しい"みどり"を見たのは初めてだと、そんな気がしたのだった。

(つづく)



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