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☆637. 東京国立博物館 (美術館の階段)

○国立博物館3819


東博の階段といえば、それはもう本館のエントランスホールの大理石の大階段ということになる。なるほど荘厳で”帝室博物館”の名にふさわしい階段であると思う。
しかし、わたしが好きなのは、こちらの方である。


○国立博物館3825


正面入口から見て左側に立つ『表慶館』(1909、設計・片山東熊)、
この明治の洋館のきりっとした立ち姿がわたしは大好きである。
梢越しに美しい玄関の階段を見てためいきをつく。
詳しく書き留めると、ためいきは二度つくのである。
二度目は、この建物が現在休館中であることに対して。
この中には、さらに美しい階段室が潜んでいるというのに!



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466. よつばと! (フルーツ小説百選)

CIMG4848.jpg


よつばと!、第45話「ぱちしえ」、コミックス第7巻に収録。
風香、しまうー、よつばの三人で、苺のショートケーキを作る話である。
ヤボを承知で好きなセリフを引用してみる。

「苺は何個くらい のっけましょうかね?」
ぜんぶだ!

(あずまきよひこ「よつばと!」)



おりしも苺の季節である。
奈良県名産の"あすかルビー"などいただきながら記事を書いている。
ちなみに、友人によれば、苺はダイエット時にもカロリー計算外となるので幾つ食べても平気だというのだが、本当か??
もうひとつ、作中で"やんだ"が「バナナジュースで肉は食える」というのだがこれもほんとうだろうか?



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☆636. 東京都美術館 (美術館の階段)

都美術館2
 (旧・美術館当時の階段、1975年)


上野公園の辺りに数あるミュージアムの中で、東京都美術館はやや影が薄いという感がぬぐえない。それはこの美術館が際立ったコレクションを持たないということを考えれば仕方がないことなのかもしれない。そもそも、大原美術館のように、そのコレクションの魅力ゆえに誰もから愛される幸せなミュージアムとは違うのである。
しかし、この美術館には大切な役割もあった。これまで、幾多の公募展会場として果たしてきた歴史を考えれば、影が薄いなどと軽口をきかれる謂れはないのである。あるいは、ここで行われてきた「天井桟敷」などの演劇公演を思い出してみるのもいいかもしれない。場所貸し型美術館にだって、いいことは一杯あるのである。


○都美術館3834


ところで、階段のはなしである。
現在の建物は、1975年に、前川國男の設計で新築されたものである。
旧館のような優美な大階段(設計、岡田信一郎)はなくなったものの、新館では違った意味で階段が重要な要素となった。風致地区の規制により、床面積をかせぐためには、建物の大半を地下にもぐらせる必要があったためである。結果として、上の画像のような光景が生まれた。でもやっぱり、旧館の大階段の方が美しかったなあという気がしないでもない。かなしいことに、ほんとうは写真でしかみたことがないのであるが。



○都美術館3840


久しぶりに都美術館をたずねてみると、なんと大きな改装がなされていた。
うれしいことに、こんなPOPな階段も誕生していたのである。
こんなやつ↑とか、こんなやつ↓



○都美術館3685


もちろん、階段の他に、エル・グレコ展もたっぷりと楽しんできました。




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465. 舞城王太郎 私はあなたの瞳の林檎 (フルーツ小説百選)

舞城

「私はあなたの瞳の林檎」は、舞城王太郎のジュンブンガク路線の一篇、『群像』2012年9月号に掲載された中篇小説である。
しかしまあ、この路線に進んでからの舞城クンの作品は、同じ作家の手によるものかどうかと疑いたくもなるような調子で、「世界は密室でできている」や「ディスコ探偵水曜日」のようなノヴェルス時代の作品を愛してきたファンとしては、なんとも受け止め方のむずかしいこと。あの疾走感あふれる物語を読んできたものからすれば、こちらは同じ作家が書いたにしてもたぶん左手で書いた作品ではないかと、そんな想像をしてみたくなるってもの。いつもは右手で書いているとすればの話だけど。

中学校の三年のときだったが、英語の時間の雑談で「You Are The Apple of My Eye」ってイディオムの意味が《あなたのことは目に入れても痛くないほど愛してる/大事だ》だと教えてもらったとき、皆はリンゴがどうしてそんな意味を持つのか判らなくて混乱していたようだったけど、僕がそうじゃなかったのは、隣のクラスにいる鹿野林檎のことがもうずっと好きでその慣用表現にぴったりだったからだ。クスクスと笑っている奴がいたのは、僕がそれを公言していて最初からからかいの対象だったからで、もう馴れていたので全然気にはならなかった。その授業が終わってから「お、戸ヶ崎直樹の瞳のアップル」と阿呆の高村聡がからかったとき林檎が平気だったのも、同じく僕のことで皆にからかわれることに馴れてるからで、でも僕はやっぱり申し訳なく思うし高村つまらんこと言うなよな、ふうくだらない、とげんなりする。
(「私はあなたの瞳の林檎」、冒頭)


誤解されませんように。でもわたしは、この小説が好きなのである。
これはたぶん「逞しいネオ青春小説」を書こうとして、どういうわけか「優しい家族小説」のようなものになってしまったというのが、正しい読み方ではないのだろうかと、わたしは思っちゃったりするのである。そりゃあまあ、舞城クンだっていつもいつも筆圧たっぷりの力作ばかり書いちゃあいられないのだろうし。

それでも舞城クンは何を書いてもどんなふうに書こうとも、まっすぐにソレを見つめている、対峙している。ソレについて書きつづけてぶん殴ってその向こう側へ行こうとしている。その姿勢の正しさを指してきっとセイシュン小説というのだろう。わたしはこの作家が好きなのである。




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464. ウラジーミル・ナボコフ 暗号と象徴 (フルーツ小説百選)

暗号と象徴


「暗号と象徴」、短編集『ナボコフの一ダース』(1958)に所収。
わずか数ページのこの作品は、しかし、ナボコフの代表作の一つと目され、アメリカでは作品をめぐって三十余人の作家、批評家、学者たちが論考を寄せた研究書が発表されているという。或いは、ジョン・バンヴィルのこんな感想が参考になるかもしれない。曰く、『ナボコフがかつて書いた作品のなかでいちばん悲痛な物語である』

不治の精神錯乱で入院している息子のところへどんな誕生祝いを持って行くかという問題に彼らが直面したのは、四年間でこれが四度目だった。本人はなにもほしがっていない。人間がこしらえた物は、息子にしてみれば、自分だけにわかる悪だくらみでぶんぶん唸りをあげている悪の巣箱のようなものか、それとも彼の抽象的な世界ではまったく役に立たない下品な慰めでしかない。息子が腹をたてたり怖がったりしそうな物をあれこれと除外してから(たとえば、気の利いた製品みたいなものは厳禁だった)両親はあたりさわりのなさそうなに洒落た小物を選んだ。十個の小さな壺に入った、すべて種類の違うフルーツ・ゼリー十個の籠入りだ。
(若島正訳)


読んでみると、実際には、物語自体は、難解でも、悲痛でもなさそうなのである。
しかし、作中の青年が患っているという”言及強迫症”について考えだすと、これはたしかに怖ろしいのかもしれない。
・・・それでも、”身の回りに起こっていることすべてが自分個人の存在に対する暗号めいた言及だと思いこむ”、あるいは、”どこへ行っても自然が現象としてつきまとう。じっとこちらを見つめているような空の雲は、ゆっくりとした暗号で、彼に関する信じられないほど詳しい情報を互いにやりとりしている”、といった青年の症状は、(いったん人間と世界の関係から離れて)ようく考えてみると怖いものでも何でもなくて、例えばわれわれが物語を読むというときの基本認識のひとつであるような気がしてくるのは、脳天気だろうか。錯覚なのだろうか。フィクションと関わるというのは、そういう意識によるものであると、そんな気もするのである。 



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463. ドロシイ・セイヤーズ 桃泥棒 (フルーツ小説百選)

「桃泥棒」(1942)は、ピーター・ウィムジイ卿シリーズの一編。
結婚したピーターとハリエットの後日譚とでもいうべき短編作品である。
なんと、ここには、彼らの三人の息子が登場する。
邦訳は、ハヤカワミステリマガジン’80年7月号に掲載。

「お父さん!」
「何だね、坊や」
「パフェットさんの桃を知ってるでしょう?あのものすごく大きなやつ。盗っちゃいけないってお父さんが言ってた、あれ」
「あれがどうかしたのか?」
「ぼく、盗っちゃったの」
ピーター・ウィムジイ卿は寝返りをうって仰向けになり、心配そうに息子を見つめた。
(浅羽莢子訳)


さては難事件発生か?!
ということではなくて、実は事件など起きてはいないのかもしれない。これはただの心あたたまるエピソードを描いた家族小説であるかもしれない。それでも、必死に雑誌のバックナンバーを探し求めて読もうとするのだから、ファンなんて可愛いものだ。
ともかく、このシリーズで、英国探偵小説史上初めて”探偵の妻”を登場させたセイヤーズは、再び、不文律を破り、こんどは”探偵の息子たち”を登場させたというわけである。
以上、報告します。



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