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☆年間ベスト10 (2015年、マイ・ベスト・ブック)


☆年間ベスト10

(A. 翻訳小説)

1. バネ足ジャックと時空の罠、マーク・ホダー (金子司訳、東京創元社)
2. 紙の動物園、ケン・リュウ (古沢嘉通訳、早川書房)
3. 文学会議、セサル・アイラ (柳原孝敦訳、新潮社)
4. オルフェオ、リチャード・パワーズ (木原善彦訳、新潮社)
5. ピンフォールドの試練、イーヴリン・ウォー (吉田 健一訳、白水Uブックス)
6. ミス・ブロウディの青春、ミュリエル・スパーク (岡照雄訳、白水Uブックス)
7. 風と共に去りぬ(新訳)、マーガレット・ミッチェル (鴻巣 友季子訳、新潮文庫)
8. 火星の人、アンディ・ウィアー (小野田和子訳、早川書房)
9. パールストリートのクレイジー女たち、トレヴェニアン (江國香織訳、ホーム社)
10. 北風のうしろの国(新訳)、ジョージ・マクドナルド (脇明子訳、岩波少年文庫)


*どれも、面白くて楽しくて順位はつけがたい。あえて、私の好みで言うと、今年の一位はマーク・ホダーである。「バネ足ジャックと時空の罠」は、デビュー作にして、フィリップ・K・ディック賞に輝く大作。その看板にふさわしい傑作だと思う。
次いで、ケン・リュウの短篇 「紙の動物園」 、短編集の冒頭に置かれたこの作品を読むだけでも、魅力がいっぱいに伝わってくる。この一作でネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞の各短編部門賞を勝ち取っただけのことはあるのである。


(B. その他)

1. 町田康訳、宇治拾遺物語 (池澤夏樹編、日本文学全集08、河出書房新社)
2. 舞城王太郎、深夜百太郎/木下龍也、深夜百短歌太郎 (ナナロク社)
3. 吉田健一 (池澤夏樹編、日本文学全集20、河出書房新社)
4. 椰月美智子、14歳の水平線 (双葉社)
5. 蜂飼耳訳、虫めづる姫君 堤中納言物語 (光文社、古典新訳文庫)
6. 四元康祐、偽詩人の世にも奇妙な栄光 (講談社)
7. 円城塔、エピローグ (早川書房)
8. 高橋源一郎、動物記 (河出書房新社)
9. 山田太一、寺山修司からの手紙 (岩波書店)
10. 宇江佐真理、竈河岸 髪結い伊三次捕物余話 (文藝春秋)


*翻訳小説以外では、なんたって、町田康の「宇治拾遺物語」と、舞城の「深夜百太郎」がすこぶる楽しませてくれた。後者には「深夜百短歌太郎」という、豪華なおまけまでついて、言うことが無い。
さらに、池澤版・日本文学全集の充実ぶりには脱帽するしかない。町田康、吉田健一の他に、円城塔の雨月物語、島田雅彦の好色一代男、中島京子の堤中納言物語(16年刊)など、どれも垂涎モノなのである。


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761. スナーク狩り (ぼくらの本が歌う時)


スナーク狩り


ルイス・キャロルの「スナーク狩り」(2014、集英社版)、
珍しい「左開き」の本、と書いてから気がついたが、本文が横書きなら和書でも左開きは当然で、珍しくはない。
だったら、初めに、
トーベ・ヤンソン 絵、穂村弘 訳、
と書いておけば、普通に「珍しい」ってことになったのだから、すごく遠回りしてしまったわけである。

この言葉この言葉こそ怖ろしい
  三度云ったら現実になる

(『スナーク狩り』から、「反歌」穂村弘・訳)


物語は、九つの章で構成されている。
「第一の歌~第八の歌」、そして最終章の「反歌」である。
キャロルの愉しい物語、ヤンソンの奇妙な絵、
そして穂村の・・、この訳文は何と言えばいいのだろう。
五七調の韻律を使いながら、独特の調子に引き込もうとする試みは面白い。
しかし、相手が、キャロルとヤンソン、である。
穂村さんといえど、タメを張るのは難しかったというわけである。
・・・結論。高橋康也・訳の『スナーク狩り』が手元にあるのなら、これは無くともよかったか。




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1205. 恐竜/アメリカ自然史博物館 (NYC百景)


恐竜CIMG0244 (2) 
(アメリカ自然史博物館、Tyrannosaurus rex)


目を覚ますと、恐竜はまだそこにいた。 ( アウグスト・モンテロッソ 『恐竜』、1959)


小説のなかの「恐竜」、
名作が幾つもある。
上に、全文を引用したモンテロッソの短篇もそのひとつ。
わたしが初めて暗唱した小説でもある。


さらば、愛しき鉤爪

そして、なによりも、エリック・ガルシアの「さらば、愛しき鉤爪」(1999)、
このとびきりの探偵小説をわたしは愛する。

おれの名前はヴィンセント・ルビオ。ロサンジェルスが根城のケチな私立探偵だ。つまらない仕事のかたわら、謎の死を遂げた相棒アーニーの死因を探っている。そんなおれを<委員会>がけむたがっているのは承知の上だ。
ところでおれは、人間じゃない。人間の皮をかぶり、人間にまぎれて暮らしているヴェロキラプトル――恐竜だ。ああ、それにしても昔はよかった……。世界中で熱狂の渦を巻き起こしたハードボイルド恐竜ミステリー、ついに登場!(ヴィレッジブックス)


この本によれば、恐竜たちは「ハーブ」に弱い。人間がアルコールやドラッグで酔っぱらうように、恐竜は薬草のにほひに酩酊してしまうのだそうだ。あの名曲「スカボローフェア」は、ドラッグ(ハーブ)に酔った恐竜たちを歌ったものであり、さらに、ポール・サイモンの正体もなんと恐竜なのであるというのだが。



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1204. 食堂/Tic Toc Diner (NYC百景)


Nighthawks_by_Edward_Hopper_1942.jpg
(Edward Hopper 「Nighthawks」 ,1942)


今日の記事は、食堂について。
・・・エドワード・ホッパーの 『ナイトホークス』 (1942) に描かれた食堂 (Diner) は、いったいどの程度の大きさのレストランなのだろうか。見たところあまり大きくはない。といっても、両国の下総屋食堂ほどではなく、また大箱のファミレスほどでもない。
実際の雰囲気はどうなのか。下総屋食堂のように静かで暖かいのか、大箱のファミレスのようにいつも騒めいているのか。興味は尽きない。ぜひ、探訪してみたいものである。



Diner,CIMG0328 (2)

ということで、二枚目、三枚目の写真は、ニューヨークを代表する超大型ダイナーの「Tic Toc」。
280席のだだっ広いスペースに80年代調のインテリア。


Diner,CIMG0325

客は入っているが、意外に静かである。
みんな、パンケーキだとかワッフルだとかを食べている。
いったいベジタリアンは何処へ行ったのか、と思わなくもない。


Diner,IMG_1416 (3)

さて、次は、上の写真、
街の食堂ではなく、バーンズ&ノーブル書店内のフードコート。
この古めかしいようなポップのような壁の絵がなんとも魅力的である、
これが、ホッパーの絵だったら、文句が無かったのに。と思わなくもない。


遅かれ早かれ、すべての不眠症患者がいずれは行きつく、終夜営業の食堂がある。冬のあいだ、道端に雪が吹き積もると、不眠症患者たちはさんざ踏みならされた交差点を渡り、やがて自分の靴にぴったり合う足跡に出会って、それに導かれるまま、食堂にたどり着く。夏のあいだの、今夜のような夜には、食堂の一角にともる明かりが、そこ以外は真っ暗なこの街角に、彼らを蛾のように引き寄せる。
(スチュアート・ダイベック 「夜鷹」、柴田元幸訳)


ホッパーの「Nighthawks」という作品を素材として、ダイベックは同じタイトルの小説を書いている。これを読むと、ダイベックはこの絵からひとつの都市論を思い起こしたのだと思う。自分が生きてきた街の光景としてこの絵をとらえたうえで、都市の人間たちが蠢く街の姿を小説として描いてみせようとしたのだと思ってみたりする。




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1203. 橋/ブルックリンブリッジ (NYC百景)


Castle2.jpg


小説のなかの「橋」、
最近のものなら、キジ・ジョンスンの短篇集 『霧に橋を架ける』
古い小説なら、三島由紀夫の短篇 『橋づくし』、はいかがだろうか。

古へからわれらの橋は、現世の橋ではなくて、彼岸へ渡す橋であつた。その限りにおいては、いかに無細工なコンクリートの橋であつても、今日なほ寸分も変らぬ詩句を近松は書いてゐる。「短かき物はわれわれが此の世の住居秋の日よ」
(三島由紀夫、 「橋づくし」について(自解))


そして、映像作品でも、
ヴィヴィアン・リーの『哀愁』で、空襲警報が鳴り響いていたウォータールー橋、
シュワルツネッガーの『トゥルーライズ』で爆破される長い長いセブンマイルズブリッジ、
印象深い橋がたくさんある。


ブルックリンブリッジ


しかし、今日の記事は、ブルックリンブリッジについてである。
トップの画像で、TVドラマ「キャッスル」の面々が勢ぞろいしているこの橋は、ニューヨークのシンボルのひとつであり、映像や小説にも数多く登場する。

およそこの巨大なマルチプレックス宇宙には、ブルックリン橋のように、リスと呼ばれる世界が数多く存在する。それが始まりだ。それが終わりだ。あなたがたが知覚したものをどう整理するか、ある時点から別の時点へどのように旅をするのか、その問題はあなたがたに残しておくことにする。
(S・R・ディレイニー「エンパイア・スター」、米村秀雄訳)


サミュエル・ディレイニーの名作 「エンパイア・スター」(1966)、にもブルックリンブリッジは登場する。
この近未来小説で橋は、ニューヨークのランドマークであるどころか、言わば地球のシンボルとして位置づけられているのである。


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1202. 外階段/セントマークス書店 (NYC百景)


外階段03,セントマークス書店
(セントマークス書店、NYC)


階段について、
ということであれば、随分たくさんの記事を書いてきた。
まずは、ヘッセの「階段」(1943)という詩から始まり、

生の呼び声を聞くごとに、心は、
勇敢に、悲しまずに、
新しい別な束縛にはいるように、
別れと再開の覚悟をしなければならない。
(ヘッセ 「階段」、高橋健二訳、第5行~8行)



「クローディアの秘密」に登場するメトロポリタン美術館の階段まで。

MET,クローディアの秘密


そして、今回の記事は、セントマークス書店のビルに付いていた"外階段"についてである。
この外階段は、ニューヨークの歴史的建築物の代表的な様式だそうだ。
ソーホーからイーストヴィレッジ地区にかけて、この外階段の付いたビルが群立しているさまは、なかなか壮観である。そういえば、昔の映画で、この階段にベッドマットレスを持ち込んで暮らしている男を見たような気がする、何の映画だったか。


外階段01



そしてそれから、セントマークス書店である。

(YouTube『セントマークス書店新装開店』 (音量注意))

この書店については、雑誌 『コヨーテ』 のNo.54 (2014/12/15)の紹介記事が詳しい。
言わば、本の分野の、とびきり洗練されたセレクトショップであり、新しいカルチャー発信基地でもある
実際に行ってみると、そのスペースの小ささに驚くのだが、中身はなるほどわくわくするものがある。
問題は、雑誌にしろ、本にしろ、図録にしろ、フリーペーパーにしろ、紙ってやつは持ち帰るには重すぎる!のである。



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