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73.スザンナ・タマーロ 愛って、なに?

「愛って、なに?」(2001)は、同名の小説集に収録されている。この小説集は、三つの中篇からなる。どれも、こどもと女性の受難を描いている。あまりにすさまじい受難であるので、闇の世界の奥深くまでもぐってしまったこころが、もういちど浮かび上がってくるのかどうか、まったくわからないくらいなのである。訳者は、どの作品においても、結末部ではほのかな光明が見えると書いているが、それはほんとうかどうか?

わたしは落ち着くどころかかっかしながらペダルを踏んだ。ライトは消えていたけれど、ダイナモのほうは動いていた。ダイナモから発していたのは明るい光ではなくて、わたしの心の闇だった。チェーンが一回まわるたびに、得体の知れない痛みや輪郭のない屈辱感が憎悪に変わった。それはダイヤモンドに含まれる炭素のように硬い、透明で純粋な憎悪だった。憎悪は口までのぼると言葉になった。わたしは県道をすっ飛ばしながら悪態をついた。「みんな地獄へ行っちまえ!どいつもこいつも死んじまえ!くそったれの大ばかやろう!」(泉典子 訳)



タマーロは、94年の「心のおもむくままに」で世界的なベストセラー作家になった。しかし、「愛って、なに?」を読むとあまりのすさまじさに怖気づいてしまったりする。タマーロの数百万の読者はいったいどんなふうに、絶望ではなくて光明をこの作品から見出しているのだろうか。いやほんとうに教わりたい気分。



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