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77.サミュエル・ベケット モロイ

「モロイ」(1951)は、作家がパリに移り、フランス語で書いた長編。ベケットは、若くしてパリで同郷のジョイスと出会い彼の仕事を手伝うようになった。当時(1920年代)、ジョイスが書いていたのは「フィネガンズ・ウェイク」である。その後、ベケットはダブリン、ロンドンと住まいを移し、二次大戦後、ようやくパリに定住し本格的に小説を書き始める。フランス語で書くのは、そのほうが変なものが出てくるからだという理由らしい。

ぼくは十一時と正午とのあいだに目覚め、母に会いに行こうと決心したといえるだろう。(中略)
したがってぼくは立ちあがり、松葉杖をつけ、道路へ降りていった。そこには、乗り捨てたままの場所に自転車が見つかった。(中略)ぼくは喜んであの自転車のことをくわしく語りたい。あれにはいま流行のベルの代わりに、小さな角笛かラッパがついていた。その角笛を鳴らすのは、ぼくにとってほんとうの喜び、ほとんど悦楽に等しかった。もっといってもいい、もしぼくの果てしない生涯のうちで、たいしてうんざりさせなかったものの受賞者名簿を作らなくてはならないとしたら、その角笛を鳴らすという行為は名誉ある地位を占めるだろう。そして自転車と別れねばならなくなったとき、ぼくはその角笛を取りはずして、自分の手もとに保存しておいた。(三輪秀彦訳)


この作品は、後に、ヌーヴォー・ロマンの先駆けとして位置付けられることになった。たしかに難解なところもある。だいたい主人公の〈モロイ〉が、ほんとうにそこにいるのかどうかもわからない!しかし、ちょっと濃厚なアイスクリームを食べるようなものというだけのことかもしれない。食べつけないというだけで。・・・ベケット自身は、この後、戯曲を書き、舞台演出を行い、さらにカメラやテレビやビデオ等の映像分野に関心を移していく。



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