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576. スープ皿を落としかけている場面で発するような声 (Today's Soup)


On Chesil Beach


イアン・マキューアンの中篇、「初夜」 (2007)、
小説の舞台は1962年のイギリス、登場するのは大学を卒業したばかりの若い二人である。
エドワードとフローレンスは教会での結婚式を終え、海辺のホテルに落ち着いたところ。
付け加えておくと、エドワードは女性経験が少なく、フローレンスはセックスに対して恐怖と嫌悪感を抱いていた。物語は、これから、二人の新婚初夜の数時間を描いていくことになる。
・・・しかししかししかし、すこしばかり設定は変わっていても、間違いなくこれは、純然たる青春小説なのだろう。

それがどんなに恐ろしい誤りだったか、どうして彼女にわかっただろう? 間違ったものを引っ張ったのか? 強くにぎりすぎたのか? 彼は泣き叫ぶような声    一連の複雑な、苦痛に満ちた、跳ね上がる母音    を発した。喜劇映画で、ウェイターがあちこちによろけながら、高く積み上げたスープ皿を落としかけている場面で発するような声だった。
(村松潔訳)


引用部は、物語の半ば、ベッドシーンの場面である。
いつものように瑣末なところを取り出してしまったかもしれない。
しかし、この一節は、”スープ”という言葉を使ったまったく新たな用例として取り上げるのにふさわしい文章だと思ったりするのである。

ところで、この辺りの展開を見ていると、この小説がそれなりにハッピーエンドで閉じるとは想像できなかったなぁ。
以上、報告します。




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