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78.デイヴィッドスン さもなくば海は牡蠣で・・・

「さもなくば海は牡蠣でいっぱいに」(1958)、SFファンのあいだでは安全ピンと自転車の繁殖習性を探求した名作として通っているそうだ。・・・遅ればせながら一読。たしかにちょっと驚いた。訳者によれば、デイヴィッドスンは「誰が定義しても異色作家」だという。言い得て妙。まさに変な小説なのである。邦訳は、短篇集 『どんがらがん』 に収録。河出の奇想コレクションの一冊である。以前はハヤカワの 『ヒューゴー賞傑作集』に「あるいは牡蠣でいっぱいの海」(常盤新平 訳)という題名で訳出されていた。改題の是非についてはいろんな論議があるらしい。

ファードはスポークを切り裂いて、折り曲げたり、ねじったりした。それからいちばん重いハンマーを手にして、車体を叩いてぐしゃぐしゃにしてしまい、それでもまだ息が切れそうになるまで叩きつづけていた。(中略)
フランス製の競走用の自転車の残骸は、店の裏手に置かれていた。それを目にしたくないので、二週間ばかり、二人とも裏手に行くのは避けていた。(中略)
オスカーは裏手に案内した。そこには赤い競争用自転車が、すっかり元どおりになって、傷一つなく、エナメルもぴかぴかだった。ファードは唖然とした。そしてしゃがみこんで調べてみた。たしかにあの自転車だ。彼が手を加えた変更や、改良がみんなそのまま残っている。
彼はゆっくりと背筋をのばした。「再生か・・・・・・」 (若島正 訳)


主人公は、自転車屋を共同経営するファードとオスカーの二人。どこにでもある町のどこにでもある自転車屋のはなしだった筈が、いつのまにか奇妙な物語に転じて行く。要約すると、自転車の再生の物語・・・、んもう、こんなはなし、要約なんかできやしない。SFでもファンタジーでもミステリでもホラーでもサスペンスでもファースでもなく、まさに奇譚というしかないものである。ともかく独特でいちど読んだら忘れられないからメモを取る必要がない。

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