724. G・マクドナルド、かるいお姫さま (ぼくらの本が歌う時)


マルク・シャガール『散歩』(1917-18年、ロシア美術館蔵)
(マルク・シャガール、「散歩」,1917-18)


ジョージ・マクドナルド(1824-1905)といえば、「リリス」(1895、幻想小説の先達!)を思い出すのか、それとも岩波少年文庫の「かるいお姫さま」や、「お姫さまとゴブリンの物語」のような児童向けのお話が先に思い浮かんで来るのか。 わたしの場合だと、どちらも同じマクドナルドの作品なの?と、訊いてみたくなるくらい、印象が異なっていた。「リリス」はこころを揺さぶる大長編であるし、後者は心をふわふわと軽やかにする短篇群であるのだし。それはまあ、どちらもこころをくらくらとさせてくれるところは同じだったのであるが。

白鳥のように白くて
美しいひとよ、
目を上げよ、
その目の力で
夜を払えよ。
(氷見直子訳)


ところで、「かるいお姫さま」である。
物語に登場するのは、悪い魔法によって重さを奪われてしまったお姫さまと、完璧な妻を探しに旅に出かけた王子さまである。まあありふれた設定である。
引用したのは、王子が湖で泳ぐお姫さまに呼びかける歌。
この後の物語の展開もたぶん想像のとおりである。
とすれば、そんなあたりまえの物語がなぜこんなにも愉しいのか?ということになる。まったくの極私的な感想であるが、それはシャガールの絵を見ればわかると思うのである。重さを失ってふわふわとした存在になった人間は、あんなにも幸せそうではないか!そもそもこのお姫さまは嘆くことなどなかったのである。



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G.マクドナルドっていうと、やっぱり児童文学の方を
先に連想しますねー。
先に読んでるからかも。「金の鍵」かなー。
それはそうと、
G.マクドナルドの児童文学の方は、色々な翻訳者によって
色々な年代に向けて出版されてますが、
幼年向けの本だと魅力が半減しますね。
分かりやすさを採ったせいで
詩がダサいことが多いので。

ところで体が物理的…じゃなくて魔法的に
ふわふわしてると、心までふわふわしちゃうって
印象的ですよね。

こんにちは

Sima さん

こんにちは


> 詩がダサいことが多いので。
というのは、なかなかキビシイ言葉ですが、
ほんと、そのとおりなんですものね^^

でもまあ、わたしなんかは、この手のものは、ふわふわしながら読んでいるので、
そんなにはもう気にならないんですけどね。

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