スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

736. 歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族 (ぼくらの本が歌う時)


Kafka Ein Hungerkünstler,1924  Kafka 寓話集  


岩波文庫版の『カフカ寓話集』には、カフカ自身が描いたドローイングが収められている。
ペンまたは鉛筆で描いたもので、作家は"ごく私的な象形文字"だと説明していたという。
例えば、こんな絵である。(↓)


Kafka1.jpg


下段のいちばん右側の絵は、なにやら"歌い手"のようなポーズをとっている、そんな気がしないだろうか。
あるいはこれが"歌姫ヨゼフィーネ"の姿を映したものか?
などと考えるのは愚かものだけである。
ヨゼフィーネは、鼠なのだから。


 そもそも、あれは歌か? 音楽にうとい一族だが歌の遺産といったものがあって、遠い昔には歌をもっていた。つたえばなしがそのことを語っており、歌もまた残されている。ただもはやだれも、それを歌うことができないだけである。さらに歌というものの予感はもっており、ヨゼフィーネの歌はこの予感と一致しない。そもそもあれは歌なのか? ことによると、単なるチュウチュウ鳴きではないのか。
(カフカ 「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族」,1924、池内紀訳)


たしかにこれは"寓話"なのだろうが、それではその寓意はなにかということになると、答えるのがなかなかに悩ましい。たぶん正答などないというところから論議を始めても、結局はいやこれが唯一の答えだなどと言いだしかねない輩が世の中には多いので、あまり読解すること自体に興味がない。彼女の歌をいちどは聞いてみたいと思うだけである。

わたしが唯一考えてみたことは、彼女が歌うときはたして立ち上がるのだろうか?ということ、ぜひそうあってほしいということである。そのほうがよく声が通るからね。



にほんブログ村 本ブログへ



関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。