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741. セルマ・ラーゲルレーヴ ダーラナの地主館奇談 (ぼくらの本が歌う時)


ラーゲルレーヴ  ラーゲルレーヴ2  ラーゲルレーヴ3


「ダーラナの地主館奇談」(1899)は、スウェーデンの作家 ラーゲルレーヴ(1858-1940)の作品。
”ニルスのふしぎな旅”を書く7-8年前に書かれた小説である。
“奇談” という邦題から幻想小説を連想してしまうと、それはたぶんこの物語の半分しか言い当てていないことになる。これは、何よりも、1830年代のスウェーデンの中西部地方 (湖と森林に覆われた高地) を舞台に描かれたフォークロアのような作品だと思う。ダーラナ地方の伝統的な文化や生活や風土を背景に生まれてきた”その土地の物語”だと思うのである。

「あなたは何にも勉強をなさってないそうじゃありませんか。つまり、大学生になられてからのこの四学期、ただの一冊も本を開いてはおられない。日がな一日ヴァイオリンを弾くことよりほか何もなさらない、しかしこれはまあ、私には不思議でも何でもありませんがね。まだ、ファールンの学校に行かれていた時分からそうでしたからねえ、ほかのことは何にも。」(中略)
「つまり、鉱山が底を尽きたのを僕が知らないんじゃないか、と言いたいのかい?」 ヘーデはちょっとむっとして言った。
(松岡尚子訳)


没落地主の家の放蕩息子の物語、それはそうなんだが、やはりそれでは物語の半分しか説明できていない。つまりこれでは、ヴァイオリンと音楽が重要な役割を持つという意味が示せていないのである。そもそもダーラナ地方では、ヴァイオリンは土地の音楽を奏でる主役の楽器であるという。ならば、物語の中で、ヴァイオリンはいかに奏でられていくのか?それがもうひとつの主題なのだろうと思ったりする。
ラーゲルレーヴは、ニルスを書く以前からスウェーデンでは”大家”であり、作品は幾つも映像化されている。画像の右端は、この物語が1923年に映画化されたときのポスターである。はたして、ここでヘーデ青年は、いかにヴァイオリンを奏で、いかに音楽に救われたのか? フィルムの方も見てみたいところである。




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