750. マーク・ホダー バネ足ジャックと時空の罠 (ぼくらの本が歌う時)


マーク・ホダー2  マーク・ホダー


マーク・ホダーの「バネ足ジャックと時空の罠」(2010)、デビュー作にして、フィリップ・K・ディック賞に輝く大作。その看板にふさわしい傑作だと思う。現時点で(まだ3月初だが)、本年度のベストブックの最右翼だと言っても過言ではない^^。

 ダーウィンはしばらく黙りこんでいたが、やがて口を開いた。「われわれは興味をもったぞ。考察せよ。われわれの目の前にいるのは、ひどく非科学的な性向の男のようだ。進化上の奇妙な例外、とは考えられないだろうか。詩人がなんの役に立つというのか?単に身勝手な存在の例証に過ぎないのではないか?飾り物だ、いってみれば。そうかもしれぬ、だが、ある種の動物における装飾的性質について考えてみよ。ほれ、たとえば、熱帯の鳥を。ああした鳥の体色や模様は、目的をもってはいないだろうか?つがいとなる異性を惹きつけるため、または捕食者を混乱させるために?目の前のこの生き物は驚くべき髪の色をしているが、発育はいちじるしく遅れている。彼の職業は肉体的能力の不足をおぎなうために発達したと仮定してみてはどうだろうか?肉体的なレヴェルでは異性を惹きつける能力を欠いているために、彼はヒバリと同じように、”歌”の技術を発達させたということはありえないだろうか?ヒバリは色のさえない小柄な鳥だが、鳴き声はとても派手だ」
(金子司訳、東京創元社)


引用するのは、王の密偵である主人公バートンの盟友であり詩人でもあるスウィンバーンが、追っていた怪人たちに捕えられ尋問を受けているシーン。    小柄で風采のあがらない詩人を指して、”ヒバリと同様、肉体的なハンデをカバーするために、歌の技術を発達させたのではないか”と喝破する場面である。呵呵大笑してしまったのは言うまでもない。
それにしても続編が待ち遠しいこと。




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