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908. 緑色の裸婦 (Studies in Green)


緑色の裸婦


アーウィン・ショー(1913-84)の短篇 「緑色の裸婦」は、50年代に書かれた作品らしい。
時代は1920~50年代、ロシア出身の画家の男が、ドイツ、スイス、アメリカ等々と渡り歩く姿を描く。
彼は、最初、静物画を描いていた。対象は果物と野菜。赤いリンゴ、緑の梨、オレンジ色のオレンジなど。
次いで、果物や野菜を描くかたわら、裸婦も描くようになった。バラ色で健康そうな女たちを描いた。しかし、結婚後、作風が変わってゆく。

 それは裸婦だった。だがバラノフがそれまでに描いたいかなる裸婦にも似ていなかった。この驚くべき巨大なカンバスのどこにもピンク系統の色は見られなかった。全体の色調は、緑で、それはサイクロンやハリケーンが近づいてくる空に潜む綠、少し黄ばんだ、忌わしい、目に重苦しい緑だった。人物そのもの   垂れた乳房と、長い髪と、皺の寄った腹と、筋ばってはいるがどこかしら狂暴な腰を持つ女も、斑の緑色で描かれ、乾いた額の下から見つめる悪魔的な二つの目も異なるニュアンスの緑色で描かれていた。
(小笠原豊樹訳)


彼はいかに緑の裸婦を描くに至ったか、についてショーは書き綴っていく。引用部の文章だけを見るとなにやら重々しい調子であり勘違いしそうになるが、これは喜劇である。笑劇と言った方がいいかもしれない。仮に譲るとしてもせいぜい悲喜劇である。間違っても、画家の悲哀が主題ではないのであるから、念のため。
それにしてもこの作品、緑色にとっては散散な描写が続くものだなぁ。



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