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910. 青緑、その② (Studies in Green)


萌葱

柳色


(承前)
青緑は、日本の伝統色のひとつでもあった。
四百とも五百とも言われる日本の伝統色が、いっきにその種類を増やしたのは王朝時代に入ってからであるらしい。染色技術の進歩と豊かな財力によってさまざまな染料が生み出されてきた。そしてそれは貴族や女房たちの豊かな色合いの装束に用いられていったのである。

こんな人たちの中に混じって明石夫人は当然見劣りするはずであるが、そうとも思われぬだけの美容のある人で、聡明らしい品のよさが見えた。柳の色の厚織物の細長に下へ萌葱(もえぎ)かと思われる小袿(こうちぎ)を着て、薄物の簡単な裳(も)をつけて卑下した姿も感じがよくて侮(あな)ずらわしくは少しも見えなかった。青地の高麗錦(こまにしき)の縁(ふち)を取った敷き物の中央にもすわらずに琵琶を抱いて、きれいに持った撥の尖を絃の上に置いているのは、音を聞く以上に美しい感じの受けられることであって、五月の橘の花も実もついた折り枝が思われた。いずれもつつましくしているらしい内のものの気配に大将の心は惹かれるばかりであった。
(与謝野晶子訳源氏物語、若菜下)


さてここに登場するのが「萌葱(萌黄)」色である。
おなじ萌葱でも、黄みがかったもの、青みがかったものがあるが、画像の色見本などまさに"青緑"に近い。
そして、作中、明石の御方が着ているのが、柳色の細長に萌葱の小袿、なのである。
柳と萌葱、みどりいろどうしのコーディネイトというわけであるが、イメージが湧くだろうか?
そのつつまやしかな気配にこころ惹かれるだろうか。



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