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919. たけくらべ (Studies in Green)


たけくらべ


河出書房/池澤夏樹編の全集企画が、今度は日本文学全集となって始まった。
第一回配本が池澤訳の古事記、第二回が中上健二、
第三回が一葉/漱石/鴎外で、一葉は川上未映子訳の「たけくらべ」である。
既刊分とこれらに続く刊行予定を含めて、なかなかのラインアップではないかと、率直に思う。
今、文学全集を編むという意味が、ようくわかる編集になっていると思うのである。

龍華寺の信如が修行のために家をでるという噂を、美登利は聞かないままだった。信如にたいする頑なな気持ちをそのまま胸に抱いたまま、近ごろの自分がなんだか本当の自分でないように思えて、そしてそんな自分が自分でよくわからなくなって、すべてにたいしてどうふるまってよいのかわからないような気持ちで過していたけれど、ある霜の降りた朝のこと、水仙の作り花を、格子門の外から指して入れていった人がいた。
(樋口一葉「たけくらべ」、川上未映子訳)


読み返してみて思ったことは、これが美登利の物語でも信如の物語でもなくて、美登利や信如や正太や登場するみんなに焦点の当たった群像劇なんだなということで、そこがいちばんの面白さだと思うのである。それと比べると川上訳については、ああそういえば新訳だったんだなと思う程度。「たけくらべ」ときたら、いい訳かどうかだなんてそんなことにまったく関係なく、傑作なんだからなあ。



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