1001. 俺たちは自転車を殺す (bicycles in fiction Ⅱ)


月の部屋で Meet Me in the Moon Room  月の部屋で会いましょう


Ray Vukcevich/レイ・ヴクサヴィッチの初作品集、『Meet Me in the Moon Room /月の部屋で会いましょう』(1995)、
邦訳は、市田泉訳、東京創元社、2014年、創元海外SF叢書の一冊、
33の奇妙な掌編が並んでいる。
「We Kill a Bicycle/俺たちは自転車を殺す」も、邦訳でわずか6頁の短い物語である。

 俺たちは自転車道に沿って身を隠している。周囲の草木は青々として、湿っぽくて、やたらと揺れ動き、川からの風にざわざわと鳴っている。アリがしょっちゅう腕に這い登ってくるが、俺は指で弾き飛ばす。そのアリが空中を飛び、膝の周りのかび臭い落ち葉の中へ長い長い距離を落下していきながら、か細い悲鳴を上げるところを想像する。ローラがいるのはどこかあのへんだ。彼女の耳に舌をつっこみたい。そしてはっと息を呑む声を聞きたい。ローラをにっこりさせたい。彼女は最近何か思いつめてる。どことなくぼんやりしている。
(市田泉訳)


英語版の紹介記事には、グリム兄弟、ディケンズ、ルイス·キャロル、カフカ、O.ヘンリー、ダリ、アシモフがラジカル再結合したような作家だ、なんて書いてあったし、Wikipediaには、ラファティやバーセルミと比較するような一文もある。なるほどと書きながら私が思うのは、物語がとっても短いので読むのが楽だということ、3分で読めたらまだカップ麺もできてやしないということ、自転車をテーマにした物語を書いてくれてありがとうということ、でも自転車は殺さないでほしかった。




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