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923. 紙の動物園 (Studies in Green)


紙の動物園2  紙の動物園


ケン・リュウの短篇 「紙の動物園」 (2011)、
邦訳は、同名の日本オリジナル短篇集 (2015,早川書房) に所収。
冒頭に置かれたこの作品を読むだけでも、この作品集と作家の魅力がいっぱいに伝わってくる。
とまあこんなことを書かずとも、この一作でネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞の各短編部門賞を勝ち取ったことを記しておけば充分だろうが。

父さんはカタログで母さんを選んだ。(中略)
その写真をぼくは一度も見たことがない。父さんはどんな写真だったのか説明してくれた   母さんは椅子に腰掛け、体を斜めにしてカメラに向けていた。タイトな緑色の、絹のチャイナドレスを着ていた。顔はカメラに向けられており、豊かな長い黒髪が肩から胸にかけて垂れていた。落ち着いた小どものような目で父さんを見つめていた。
「カタログの最後のページにその写真が載っていたんだ」父さんは言った。
(古沢嘉通訳)


どうだろうか。この一節だけでも読めば、わわわわあと驚くに違いない。
そしてそのうれしい驚きはほぼ最後まで続くのである。
ほぼ、と書いたのは、やや"若書き"のような雑な部分が感じられること。
そして、最後の"手紙"の部分が不要だとも思えるからである。
しかし、そんなことを含めてとらえても、これが素晴らしい短篇であることは揺るがない。
もちろん、次作が読みたくて仕方がないのである。



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