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931. 幻獣の書 (Studies in Green)


The Book of the Beast  タニス・リー


タニス・リーの長篇 「幻獣の書」(1989) は、緑の書/紫の書/緑の書という三部構成になっている。
緑の書には「エメラルドの瞳」という副題がつけられている。
不思議な眼の色をした女性が登場してきて、このファンタジー小説の幕開けを告げる。

「お掛けなさい」とエリーズ・デュスカレは云った。(中略)
ラウーランの盃に暗い色の酒が注がれる。
酒の香りと、そばに屈みこんだと思うと離れた女の香りを捉えた。生身の女に間違いない。
その美しさ。その不思議さ。
女は向かいの椅子に腰を下ろし、インキにも似た古い酒をおのが盃より啜った。瞳の信じ難い色も今は見て取れる。
「お楽になさいな」
「あなたの眼」と云ってしまった。自分でもとめられぬかのように。「見たこともないほど   緑色」
(浅羽莢子訳)


先にファンタジーと書いたが、モダン・ホラーと書いたほうがよかったかもしれない。
あるいはダーク・ファンタジーか。
「美しくも禍々しい物語」という出版社が付けた惹句もまんざら遠くはないと思わせるような幻想譚が展開されて行く。
しかしまあ、タニス・リーの、ロマンス小説のようなぬけぬけとした語り口!
浅羽さんの訳文も冴える。林由紀子さんの絵も、とびきりである。
一読すれば、癖になってしまうような作品かもしれない。ということで、シリーズ作品が別に四冊ある。
怪異譚が好きな方にもぜひ。


☆タニス・リー、2015年5月24日逝去。合掌。



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