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1007. ミス・ブロウディの青春 (bicycles in fiction Ⅱ)


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ミュリエル・スパーク(1918-2006)の長編、「ミス・ブロウディの青春」 (1961) を読んだ。
これはスパークの出世作であり、代表作であるそうだ。
69年には、映画化もされている。
しかし、2013年に河出書房から出た短篇集、『バン、バン!はい死んだ 』 の記憶があまりに強烈だったため、あらためてこの旧作の長編を読むと、少し混乱してしまったりする。短編のブラックな調子、スラプスティックな書きぶりをイメージしながら、この本を開くと、その堂々とした物語の始まりにちょっと驚いてしまうのである。ジェーン・オースチンを間違えて開いてしまったか、とは思わないにしても。

 マーシア・ブレイン女子学園の女生徒としゃべる時、男の子たちは間に自転車を置いてハンドルに手をかけていた。自転車が両性間の保護策になり、ほんの立ち話だけ、という印象をあたえる。
 校門からあまりはなれていないし、無帽は規則違反なので、女の子たちはパナマ帽を脱ぐわけには行かない。四年生以上なら、ななめにかぶったりしなければ、少々かぶり方が規則に反していても大目にみてもらえることになっている。つばを後であげ、前で下げてかぶるのがきまりだったが、女生徒たちはそれぞれ、ほんのわすがだけ違反するかぶり方を工夫していた。男の子がいるのでぴったり身体をよせ合って立っているこの五人娘も、それぞれはっきり違ったかぶり方をしている。
 この五人組がブロウディ組の生徒だった。
(「ミス・ブロウディの青春」 、冒頭。岡照雄訳、白水社)


それはまあ、読み進めていくと、これはスパークの長編なんだということがようくわかることになっている。
この巧みな物語の底を流れる皮肉で意地悪な調子は、まさにスパークの一番の面白さだということに、否が応でも気づかされるのである。

物語の舞台は、1930年代のスコットランド、エジンバラの町。
女子校の教師ブロウデイと、彼女の生徒たちをめぐる物語である。
・・・いつものようにぼんやりとした気分で読み始めても、すぐに物語の魅力に深くはまりこんでしまう。
なんでイギリスの作家というのは、こうもストーリーテリングの才に長けているのだろうかと、恨み言のひとつもいいたいくらい面白いのである。





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