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88.ティム・パワーズ 奇人宮の宴

「奇人宮の宴」(1985)は、第四回ディック記念賞受賞作。
物語の舞台は、核戦争後の廃墟からようやく蘇りつつあるロサンゼルス。シボレーを改造した馬車が行き交い、蒸留酒が通貨となり、自転車暴走族が跳梁する。暗黒の近未来という、まさにディック賞の名にふさわしい世界を描く。
しかししかし一方で、どこかクールでチェシャ猫のように笑っている作家の姿も目に浮かぶ。そんなものは全てパロディの世界なんだよと言いだしかねないような。

ふたりが斜面をかけおりたときに舞いあがったもうもうたる砂ぼこりでなにも見えなかったが、左手からフクロウ族の自転車が方向転換して横すべりする音が聞こえてくると、リーヴァスは石弓をあげてそちらに狙いをつけた。と、砂ぼこりの向うに自転車が見えた。車体の両側に上むきに突きだしている外車輪が巨大な金属の昆虫の眼柄のようで、それらをつないでいる横棒の下に、ペダルら足をかけた乗り手が背をまるめている。自転車は急なUターンをしたときの傾いたままでリーヴァスに迫っており、右側の外車輪が地面をこすって回転していた。
リーヴァスは片腕をまっすぐ突きだし、恐怖にかられて石弓のゴムひもを限界ぎりぎりの口もとまでひきのばした。
(浅井修訳)


主人公のリーヴァスも、最初はこんなふうに石弓を使う勇猛果敢なキャラクターだったのが、奇怪な邪教集団との戦いに疲弊し、最後には彼女にスプーンでスープを飲ませてもらうほど人間的な弱さをあらわしてくる。
これってハードボイルドヒーローもののパロディでもあったのか?



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