立原道造、ヒアシンスハウス


立原道造





立原道造は、優秀な建築家でもあった。
晩年に、自ら設計図(スケッチ)を描いて、「沼のほとりに、ちひさい部屋をつくる夢」を語った。
そしてそれを「ヒアシンスハウス」と名付けた。
もちろん、その夢は叶わないまま、早逝したのだったが。


しかし、今、「ヒアシンスハウスに行きたい」と勝手なイメージを広げて遊ぶことはできない。
というのは、現実にそれが建てられてしまったからだ。

立原道造2
(ヒアシンスハウス、別府沼公園)


実際に見てみると、とても美しい建物である。たぶん立原が週末を静かに過ごすことをイメージして設計したプランがそのまま生かされているのだと思う。しかし、立原の書いた文章や家のスケッチを見て楽しむだけの方が良かったかもしれないという気持ちもある。

    光あれと ねがふとき
    光はここにあつた!
    鳥はすべてふたたび私の空にかへり
    花はふたたび野にみちる
    私はなほこの気層にとどまることを好む
    空は澄み 雲は白く 風は聖らかだ
      (盛岡ノート、「アダジオ」)


立原は、晩年の一時期、岩手に滞在した。そこで見た情景を「盛岡ノート」に記している。
そして、こんな美しい詩や文章を残している。賢治や啄木とは違った眼でこの土地をとらえている。後に松本俊介が描いたのとも違う盛岡を描いている。
だから、わたしは、夢がリアルになってしまった別所沼(ヒアシンスハウス)よりも、むしろ未だ夢や詩の中でしか見たことのない盛岡の方へ行ってみたい気がするのである。




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