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90.W・トレヴァー ロマンスのダンスホール

「ロマンスのダンスホール」(1971)は、岩波文庫『アイルランド短編選』に収録の一篇。
物語の舞台はアイルランドの山奥の農村、年老いた父親と働く30代の女性ブライディーの唯一の楽しみは、土曜の夜にダンスホールに出掛けることだった。

しかし土曜日の夜にはブライディーはスコッチ草と土を忘れた。父親の勧めもあって、いろいろなドレスを着て彼女はダンスホールに自転車で出かけた。父親は彼女がダンスホールの楽しみを抑えていると思うのか、「おまえにとって良いことだ」とか「楽しんだらいいではないか」と言った。(中略)
ブライディーと同じように、山奥の農家や村から人々が自転車に乗ってやってきた。少年と少女、男と女、みんなふだん他人と出会わない人々が一堂に会した。彼らはドワイヤー氏に金を払い、ダンスホールに入る。中では淡いブルーの壁に影が映り、クリスタル・ボールの証明は暗い。ロマンチック・ジャズ・バンドと呼ばれる楽団はクラリネットとドラムとピアノだった。ドラマーが歌手を兼ねることもあった。(橋本槇矩訳)



大袈裟かもしれないが、近時、トレヴァーの短編集(邦訳)が次々と刊行されたことは奇蹟だとか快挙の類だと思ったりする。…『聖母の贈り物』(2007)、『密会』(2008)、『アフター・レイン』(2009)、『アイルランド・ストーリーズ』(2010)、いずれもトレヴァーらしい滋味にあふれた作品がぎっしりと詰まっている。読み応えがあるったらない。
ただ問題がないわけではない。どの作品にも、アイルランドの歴史と風土と一緒に、哀しみと刹那さと諦念のようなものが色濃く塗りこまれているので、読み続けるとすこしばかし寂しくなってしまうのである。




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