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92.アントニオ・タブッキ 土曜日の午後

「土曜日の午後」(1978-81) は、短編集 『逆さまゲーム』 に収録の一篇。
本の巻頭に 『ものごとの、なんのことはない裏側』 というロートレアモンの文章の一節が引用されている。この短編集を通じて、 《 逆さま/裏側 》 が一貫したテーマになるのだという。作者自身のまえがきによれば、「ある日。予知できない人生の状況のなかで、それまで 〈こうにちがいない〉 と思っていたことが、そうでないということに気づいた。そんな発見。これらに気づいたとき、わたしはしんそこ驚いた。」この短篇集では、これが主題になる。

自転車に乗ってた、とネーナはいった。ハンカチを四すみでくくって、あたまにかぶってたのよ。じっと見てたら、むこうもわたしのこと、じっと見てた。なにか家にあるものが欲しいっていう感じだったけど、まるで、立ちどまるとまずい、っていうみたいに、行ってしまった。二時きっかり、だった。
(須賀敦子訳)


引用したのは 「土曜日の午後」 の冒頭の部分。自転車に乗った奇妙な格好の男が家をのぞいていたのよ、と子どもが母親に報告している。母親の方は、なにか心当たりがあるようである。それが何なのか、ゆっくりとした語り口で、示されていく。
…タブッキの小説は技巧的である。巧みな設定、導入、展開、収束。わかっていながら、こころが揺さぶられる。白水社/須賀敦子訳のタブッキ集は、5冊だったか6冊だったか、全部抱え込んでしまいたくなる本ばかりである。


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