スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

98.R・カーヴァー 自転車と筋肉と煙草

「自転車と筋肉と煙草」(1976) は、初期の短編の一つ。邦訳は、短編集『ささやかだけれど、役にたつこと』(中央公論社)に収録されている。
なにげない日常のできごとをとらえた短い作品であるが、いつものカーヴァーの作品と同様に、奇妙な余韻と深い味わいがある。まさに『A Small Good Thing』、なのである。

「ハミルトンさん」と女は言った。「事の次第を御説明します。私たちは先月休暇旅行に出ておりました。そしてキップがそのあいだギルバートの自転車を貸してくれと言ったんです。そうすればロジャーが自分の新聞配達を手伝えるから、ということでした。ロジャーの自転車はパンクして使えなくてどうのということだったと思います。それでどうなったかと申しますと  
「ゲイリーが僕の首しめたんだよ、父さん」とロジャーが言った。
「何だって」とハミルトンは言って、息子を注意深く見た。(中略)
「それでどうなったかといいますと、キップとロジャーはそのギルバートの自転車をキップの新聞配達に使ったんです。それから二人は、ゲイリーも加わって三人で、その自転車を、この子たちの言によれば、かわりばんこに転がしたんです」
「その『転がした』というのはどういうことですか?」とハミルトンが訊いた。
(村上春樹 訳)


中途半端な引用になった。これでは「自転車」はあっても、「筋肉」も「煙草」も出てこないんだものなぁ。ともかくこの短篇は、この三つの言葉が、いわば三題噺のようなかたちで浮かび上がってくるという作品なのである。
・・・カーヴァーは小説だけではなく詩も書いた。この短篇のタイトルに並べられた三つの言葉は、とても凝縮された言葉で、この一行だけで、現代詩の世界のような深みを持つ、そんな気がするのである。




関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。