スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

105. ジョージ・マクドナルド リリス

ジョージ・マクドナルドの「リリス」(1895)、幻想小説の先達である。しかし、わたしにとっては、岩波少年文庫の「かるいお姫さま」や、「お姫さまとゴブリンの物語」を書いたマクドナルドである。そんなイメージから、「リリス」も易しいジュヴナイルだろうと軽くみていたら、なんとこれは、こころゆさぶられる大長編ファンタジーでありました。
・・・物語の舞台は、古いイギリスのお屋敷、その中の図書室、そこから全ての物語が始まる。

午後になって、もういちど図書室で読書をはじめた。やがて深い考えをめぐらせなければいけない個所にきて、わたしは本を置き、両方の目をあちこちに走らせた。その瞬間、使いこんでテカテカに光った長くて黒い外套をはおった、痩せて背の高い老人の後ろ姿が見えた。あの隠し扉をくぐって、その向こうにある書庫のなかへ、いまにも消えようとしている。駆け足で部屋を横ぎったのに、扉はもう締まっていた。それを押しあけて書庫のなかを覗いた。怪しいものの気配はなかった。だれも見えなかった。だからわたしは、不安な気分も少しは残ったけれど、またあのまぼろしがよみがえったのだなと自分に言いきかせて、席にもどり読書をはじめた。
(荒俣宏 訳)


「リリス」には、虹色のイメージが満載で、読み終わってもしばらくは頭がくらくらとしている。だからこれが彷徨の物語なのか冒険の書なのか、そして結末が救済なのか終わりのない夢のようなものなのか、よくわからない。ただ、とてつもない作品を読んだなぁということだけがわかっている。・・・文庫版の末尾には、矢川澄子さんによる、『(「リリス」を読んだ後では)、「アリス」や「大鴉」が貧血症的な色合いをおびて映りだすのもやむをえない』なんてものすごい解説が付せられているのだが、なんだかほんとうにそんな気がしてくるのだからわたしの打撃も相当なものだったのかもしれない。読後には、しばらく安静が必要な本なのである。
関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

No title

おはようございます!

「リリス」ですね。万華鏡のようなくるくる変わるイメージは素晴らしいのだけれど、私、この本は苦手なんですよねぇ。
これは大人向けの幻想小説ですよね。私もジョヴナイル的な軽めの童話だろうと思って読んだのですが、かなり、だいぶ、手ごわかったです・・・。
結局どういう話なのか理解できず(だから苦手)、いつか再読しようと思いつつそのまんまになってます。
ホントにいつか再読しようと思っているのですが、一度苦手意識をもってしまうと、なかなか手に取れなくて。

おはようございます

たしかに途中、うねうねと物語が動いていて、その辺りはちょっと読み辛くてわたしも苦戦しました。結末も、わかりやすくは無いですよね。でも、結局どういう話なのかわかったのかわからないのかわからないようなやつ、わたしはちょっと好きなんですよ^^




被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。