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14.ウィリアム・サローヤン 自転車泥棒

サローヤンからサロイヤンまで、晶文社からちくま文庫、新潮文庫、角川文庫まで、これまで幾つもSaroyanの短編集を読んできた。「自転車泥棒」(1944) は、短編集「ディア ベイビー」に収録されている。いつものサローヤンのとおり、ありふれた街のありふれた物語をえがいて、ありふれた光景をきらりと煌かせている。

1919年につくられたその映画は、意気軒昂で無鉄砲だったし、話の運びも調子がよかった。
見終わって映画館を出たアイク・ジョージは、登場人物のひとりになったように、元気いっぱいで、怖いものなし、思いっきり人生を生きたい気分だった。
悪いことをしている気もなく、ほとんど無意識にアイク・ジョージは、映画館の前の自転車置き場から真っ新の自転車を引き出すと、堂々とこぎ去った。
エル通りまで来ると、日本人が経営する自転車屋で店員をしているジョニー・ファラゴーが、彼の家の前に立っていた。
通り過ぎようとするアイク・ジョージが、ピカピカの自転車に乗っているのに気づいたジョニーは、大声で呼びかけた。
「おい、坊主!」
(関汀子訳)


サローヤンの短編ではよく少年が描かれる。少年らしく悪戯と悪行ばかりの日常なのだが、不思議に明るくて無邪気で瑞々しくて溌剌としている。我が名はのアラムしかり、この短編のアイクしかりである。
家族の関係、人と人との関係、大人と子供の関係、人と世界の関係、子供が世界を見る眼、それらが全て健全で、互いをしっかりと見ていて、どちらも(人間も世界も)揺らぐことがない。だから読んだらいちどに好きになる。読んでいてこちらも思わずケンゼンになってしまう。あらどうしよう。

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