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109. フィリップ・ロス さようならコロンバス

「さようならコロンバス」(1959)は、ロスが20代で書いたデビュー作。見事な中篇である。あたりまえの青春小説であり恋愛小説であるが、とても鮮やかな作品で、今も印象が深い。・・・主人公の「ぼく」(ニール、23才)は、公共図書館に勤めている。無感覚で空虚な日々をおくっている。そんなときに、ブレンダと出会う。

図書館の同僚には、奇妙なのがいて、ぼく自身どうしてこんな所に入り、なぜやめずにいるのか判然としなくなることも多かった。が、とにかく勤めつづけて、やがてこんな日がやってくるのを辛抱づよく待っているのだ  一階のトイレットへ煙草をのみに行き、鏡に煙草の煙を吹きかけながら、しげしげと鏡の中の自分を眺め、朝のうちからすっかり血の気が失せていること、マッキーやスカペロやミス・ウィニーと同じに、ぼくの皮膚の下に、血と肉をわかつ薄い空気の層ができていることに気づくような日の訪れを。本に貸出しのスタンプを押しているうちに、だれかに空気をいれられたに違いないのだが、かくなるうえは、ぼくの人生は、グラディス叔母さんのように不要品の処分でもなければ、ブレンダのように、せっせと取りこむのでもなくて、無感覚と退場あるのみとなるだろう。
(佐伯彰一 訳)


それはまあ印象が深いのは、映画化されたのを見て、アリ・マッグローのみごとな肢体に見とれてしまったという、そんな視覚的記憶のおかげかもしれないが。たぶん、それだけではないと思う。
鮮烈でも抒情的でもないのに、こんなにあざやかにセイシュンとレンアイの情景が描かれている小説はない! たぶん、そのことに気がついて、驚いたのだったと思うのである。



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