111. G・A・エフィンジャー 時の鳥

「時の鳥」(1985)は、〈 時間SF 〉ものである。あの「重力が衰えるとき」=電脳ハードボイルドSFイスラミック探偵小説の名作! を書いたエフィンジャーらしく、とても奇妙な時間SFである。・・・主人公の青年は、時間旅行管理局に大金を支払って、古代アレクサンドリア図書館に出かけていく。ハヤカワ文庫/大森望 編のアンソロジー『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』に収録の一篇。

「さて、だまってこちらに当てさせてくれ。きみの希望は、アレクサンドリアの図書館か、エカテリーナ女帝のどちらかだろう?」
ハートスタインは虚をつかれた。「図書館です。どうしてわかりました?」
「きみたち大学生の考えることはきまってるんだよ。(中略)」
ハートスタインは恐ろしい考えにとらえられた。これだけ大勢の人びと、大学生や、大学教授や、逃亡犯人や、考古学者や、観光客や、それに人格異常の悩みをかかえた人たちが時間の中を往復していれば、そして、アレクサンドリア図書館がそれほど人気のある名所なら、何千何万もの現代人がその建物の中で身動きもとれないほどぎゅうぎゅう詰めになり、もとから過去に住んでいる人たちの物笑いの種になっているのでは?・・・」
(浅倉久志 訳)


時間旅行が一般化したこの未来世界では、行き先にアレクサンドリア図書館を希望する人間がとても多いらしい! ・・・そんなことがあるのか?とまずソッチに驚いてみる。アメリカには、そんなに図書館好きが多いのだろうか?いやこれはむしろ歴史好きが多いということなのか?
・・・そんなことはともかく、小品ながら愉しめる一篇である。ただし傑作が綺羅星のように煌めくこの短編集の中では、特別目立つこともない。なんて書くと誤解されそうだが、それだけこのアンソロジーが素晴らしいと言っておきたいのである。。
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