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116. サキ 聖ヴェスパルース伝

「聖ヴェスパルース伝」(1911)は、サンリオ版『ザ・ベスト・オブ・サキ』に収録の一篇。彼が書いた135の短編のなかでも、ひときわ魅力的なこの作品は、こんな一節で始まる。・・・『「何か話をしてよ」と、雨が降るのをがっかりして見つめながら男爵夫人がいった。・・・』

・・・王室の図書館といってもその頃は大したもんじゃないので、司書はたっぷり暇があります。よく頼まれては他人のもめ事の仲裁をしていたんです。こじれて尋常一様では片付かない場合ですね。
「『ヴェスパール王子によく道理を説いてきかせろ』と王さまはご下命になりました、『そんな事はまちがいだとよくのみこませろ。王位を継承する者がそんな悪例を示すとはけしからん』
「『でもそれに必要な反論がどこにございましょうか』と司書はたずねました。
「『必要な反論なら王家の森林でなんでも勝手に取ってくる許可をあたえる。しかるべき痛烈な意見と辛辣な反駁を集めてこられなければ、その方はきわめて知恵のない奴だぞ』
「そこで司書は森の中へ入って、太い枝を切ったり細い枝を切ったり、大いに議論の種に使えそうなのをしこたま集めて、さてヴェスパルース王子を相手に、王子の行動がいかに愚かであり不法であるか、特にいかにみっともないか説き伏せにかかりました。・・・」
(中西秀男訳)


サキのこの短編集、収録されている作品は、なんと50篇、大盤振る舞いである、満漢全席である、「ザ・ベスト・オブ」の冠詞にふさわしい魅力的な一冊である。しかも、中味がまったく古びていないことに驚く。着想も手法も表現もきわめて独創的で、いまなお傑出し屹立しているのである。・・・と、こんなありふれた称賛の言葉を並べるのがはずかしくなるくらいの傑作集であると思うのであります。
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