スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

118. ターハル・ベン=ジェルーン 聖なる夜

「聖なる夜」(1987)は、ベン=ジェルーンの長編第二作。先の「砂の子ども」(1985)の続編である。二作に共通の主人公アフマドは、父親に男として育てられた少女である。60年代のモロッコを舞台に、アフマドの奇妙な物語がアラビアンナイトのように美しく不思議な調子で語られる。
・・・ベン=ジェルーンは、モロッコ生まれのフランスの作家である。訳者によれば、彼が書いているのは『砂漠の書物』である。流浪の民が伝承してゆく声のなかにかろうじて保たれる風の書物のようなものである、としている。

地下の広大な場所は、町の図書館だった。すばらしい美人に近づいていくと、その女性はこう言った。「私は二十二歳で、ゲッティンゲン大学を卒業し、選挙候の大臣だった父の意向で、(沈黙)ヨーロッパのもっともすばらしい国々を旅することになった・・・」しばらく間があって・・・「私は、『アドルフ』です・・・。どうぞ、お読みください。私は恋愛小説です。悲しい結末ですが、それが人生というものです・・・。」(中略)
ここでは、きれいな娘たちが雇われて、小説や、物語、戯曲などを暗記し、料金を払えば、彼女たちは自宅に来て朗読する、より正確には暗記した書物を語るのだ。
(菊地有子訳)


この『人間図書館』というイメージには少し、驚いた。ブランコを揺らしながら「ユリシーズ」を語る少女であるとか、シェラザードの衣裳を着て「千夜一夜物語」を語り歩く十人の女性たちであるとか。
なんと猥雑で華やかな夢!
しかし、冷静になって考えるとそれがなにやら恐ろしい悪夢の世界であるような気もしてくるのである。
関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。