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124. オーガスト・ダーレス 図書館の殺人鬼

《小説の中の自転車》、そして《小説の中の図書館》について書いていくと、ひとつ気が付くことがある。自転車が極めて文学的な主題として登場することが多いのに対し、図書館(図書室)の方は、SFやファンタジーや怪奇小説の中で描かれることが多いのである。・・・「図書館の殺人鬼」(1949)は、短編集『淋しい場所』(原著=1962、アーカム・ハウス版)に収録の一篇。ダーレスは、ラヴクラフト派の中では、心理的・幻想的傾向の強い作品を得意とした。これもそういうタイプの作品である。

大きな図書館を収めた巨大な建物のそばを通る人で、その壁の内部に何があるのかを考える者は、おそらくあるまい。中に入って、閲覧室や書庫の中も狭い仕切り部屋や地下の階層で仕事をする人でさえ、図書館の中に、「人間(ヒト)」と呼ばれる哺乳動物の累積する進化の歴史、および人間がその目で見、解釈し、人間の手をもって書き留めた、その同類たちに関する種々の補助的データ以外の何かが潜んでいると考えることはまずあるまい。知恵の光と人間性の微々たる進化のみが一筋の光明を与えうる、愚行と傲慢の、強欲と肉欲の、無知と搾取の記録、それらがみな数百万もの書籍、雑誌、新聞、パンフレット、写真の中に取り消しがたく記されている  来るべき世代のために、おそらくは永遠に、壮大にして痛ましいこれら全ての記録が、活字の内にミイラと化して留められている。
そして、そこには、何かそれ以上のものもある。・・・
(森広雅子訳)


そして、その、『何かそれ以上のもの』を、われわれは、この物語のなかで見ることになる。そこになにが書かれていたのかは、もちろん記すことはできないけれど、わたしはそれ以来、このことについては口にしないようにしているし、夜の図書館、特に新聞用の書庫には近寄らないようにしているのである。

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