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129. ヘッセ 美しきかな青春

「美しきかな青春」(1907)は、ヘッセの初期の代表的な短編。邦訳は、『ヘッセ青春小説集「少年の日の思い出』(草思社)に収録されている。・・・物語はヘッセの青年時代、当時、「もてあまし者」であったヘッセが、夏の休暇で一時帰郷した時のエピソードが語られていく。

私たちの家のいわゆるサロンには、荒削りのモミ材でつくった背の高い本箱がたくさんあった。その中には、祖父時代の蔵書が整理されないまま、雑然といくらか放りっぱなしにしてあった。そこで私は幼いころに、たのしい木版画の挿絵入りの黄ばんだ版で、ロビンソンやガリヴァーを見つけて読んだものだった。(中略)
音楽をやらない晩や、フリッツといっしょに花火の薬包づくりをしない晩には、私はこの蔵書の中から、どれか一冊を自分の部屋へ持って行き、祖父母がそれを読みながら夢中になったり、溜息をついたり、考えこんだりした黄ばんだページの中へ、パイプの煙を吹きこんだ。ジャン・パウルの『巨人』の一冊は、花火をつくるために弟が中身をとり出して、使ってしまっていた。私がはじめの二巻を読んで第三巻をさがしていると、彼はそのことを白状し、あの巻はそれでなくても落丁があったと言い訳をした。
(岡田朝雄訳)


家族や古い家や、故郷の町や、夏の季節や、そして少女についての話が、一人称の形で「私」によって語られていく。もちろん青春小説であるから恋は実らず、もちろん青春小説であるから、短い休暇はすぐに終わりまた故郷を離れていくことになる。ただし、青春小説だからといってすべての作品が美しい物語として閉じるとは限らない。でも心配なく、この物語は、とてもとても美しい結末を迎えるのである。
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