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132. チェスタトン 飛ぶ星 (ブラウン神父シリーズ)

「飛ぶ星」は、連作短篇集『ブラウン神父の童心』(1911)に収録の一篇。童心とはinnocenceの訳語であるが、こんなに辛辣で痛烈に逆説と風刺を突きつけるような作品集に、よくもいけしゃあしゅあと(失礼)「innocence」なんてタイトルを付けたものだと言わざるをえない。それはみごとなくらいである。おまけに探偵小説としても文句のつけようがないときちゃあ、次から次と読まざるをえない。同シリーズの短篇集(邦訳)は、5冊、約50篇。あっというまに読み尽してしまいました。おっと、煌びやかな文章にも魅せられること必至。

それからほんの数分のあいた、神父は、素人役者のハーレキンが、みごとな気絶ぶりをしめしている敵のからだの上を飛び越えながら、おどけてはいるがけっこう優美なダンスを踊るのをながめていた。粗暴ながら真にせまった演技で踊りながら、ハーレキンはゆっくりとあとずさりつつ玄関を抜けて、月光と静寂が一面に支配する庭に出て行った。フットライトに照らされていたときには毒々しくさえあった銀紙と人工宝石のでっちあげ衣裳は、冴えきった月光のなかを踊りつつ遠ざかって行くにつれて、しだいしだいに神秘的な銀色を帯びてゆく。観客が滝音のように拍手を送りながら舞台に近づきはじめたときだった、誰か藪から棒にブラウンの腕にふれたものがあり、同時に、大佐の書斎にくるように告げるささやき声が耳元でした。
(中村保男 訳)


「飛ぶ星」は、記念すべきシリーズ第一集のなかでも、特筆すべき一篇である。なにしろ、先の作品で、永遠のライヴァルとなると思われたパリ警察のヴァランタン警部がいきなり○○したのにも驚いたが、この作品では、これぞシリーズを通じて敵役となるべく現れた筈の怪盗フランボウが、なんと○○してしまうのである。驚くべきかな、である。そんなバカな、である。まんまと意表をつかれてしまったのである。

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No title

こんにちは!^^

本当にフランボウには驚かされましたね!
でも、フランボウがいなければこのシリーズは成り立ちませんよね!
すごく好きなキャラクターです。

おはようございます

このシリーズは、わたしもほんとうに大好きなんです。
『木曜の男』とは、また別の面白さにあふれていますよね。


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