137. ゴア・ヴィダル 書斎のご婦人たち

ゴア・ヴィダルといえば、60~70年代に書いた「マイラ」と「マイロン」の連作(=ジェンダーを主題にした風刺と嘲笑の小説)が思い浮かぶ。というか、それっきり知らないのである。・・・「書斎のご婦人たち」(1956)、邦訳は白水社版のアンソロジー『現代アメリカ幻想小説』(1973)に収録されている。

次の日は昼食が正餐となり、暑い日の食事としてはあまりに手のかかった重いものだったが、ウォールターは貪欲に食べた。幼年時代のベッドで落ちつかぬ夜を送り、寝不足から疲労を感じる。その上にパーカー姉妹だ。理由もなくいらだたしい。中年になっても彼女らは断固としてはしゃぎ、すさまじいほどの自信だ。食後も相変わらず早口でしゃべりながら姉妹は書斎のソーファに並んですわっている  裁判官のようだな、と気分の悪いのを感じてベルトをゆるめながらウォールターは思った。薬を取りに部屋に戻ったものだろうか(彼はいろいろな薬を飲む。心臓音に低い雑音がまじるのだ)と考えているとミス・モーチマーがこちらを向き、二人は親しげに、こまごまと夢一般を語り、また彼が前夜見た、ある夢(黒い海に溺れている)を語る。(志村正雄訳)


・・・この書斎に集ったご婦人たちが、怖い!のである。物語は、淡々と、しかし着実に恐怖を積み上げるように展開されていく。途中でトイレに立つのが難しい。いや、怖いのと同時に、短い話で中座しにくいのである。いやいや、こんなに短い話で、これだけゾットさせるのだから並の手腕ではないなということが言いたいのである。

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