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150. A・フランス  シルヴェストル・ボナールの罪

『シルヴェストル・ボナールの罪』(1881)は、第1部「薪(まき)」と、第2部「ジャンヌ・アレクサンドル」という二つの中篇で構成する作品である。両篇とも、パリに住む老学究ボナールが主人公になる。ここで引用する「薪」は、ボナールが極稀の古文献を求めて奔走する約八年間の物語である。

私はスリッパをはき、部屋着をひっかけて、河岸通りに吹いていた北風が目を涙で曇らせたのを拭いとった。火があかあかと書斎の暖炉に燃えている。羊歯の葉形をした氷の結晶が窓ガラスに花と咲き、セーヌ河やその橋々、ヴァロワ王家のルーヴル宮を私の目から隠していた。(中略)
「ハミルカル、本の都の眠りの王子、夜の守りよ。この老学究が僅かな蓄えを費やして、せっせと集めた写本や刊本を、お前は卑しい鼠どもから防いでくれる。お前の武威に守られたこのしずかな書庫のなかで、ハミルカルよ、サルタンの妃のように蕩然と眠るがよい。・・」
(伊吹武彦訳)


「薪」、この古めかしくも美しい文章からはじまる中編は、最後もみごとに清澄なエピソードをもって閉じる。・・・まさに、名作である。登場するのは、主人公のボナールの他に、愛猫のハミルカル、婆やのテレーズ、アパートの屋根裏に住むココズという男、ココズのおかみさん、シチリアの好事家ポリッツィー氏等々。このいずれもが見事な脇役を務め上げる。

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