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157. アンドルー・ラング 書斎

「書斎」(1881)、書籍学の古典的名著である。引用部は、第二章『書斎』から。新米愛書家の書斎を対象として、蔵書の整理と保存の方法を教えようという部分なのであるが、・・・ラングにしても、この時代の書斎事情についてまず嘆くことから始めなくてはならなかったのかと思うと愉しい。

ここで言う「書斎」とは、誰も寄りつこうとしない勉強部屋のことでもなければ、また『ウォルター・スコット卿作品集』や、『ピアソン教義問答』や、『ヒューム随筆集』や、説教集の山と一緒に、一家の主人が長靴やステッキを放り込んでおく部屋のことでもない。ああ!イギリス家庭の「書斎」ときては、この程度がほとんどなのだ。幾世代に亙って受け継がれても蔵書は増えず、せいぜい「鉄道案内書(ブラッドショウ)」か、駅売り三文小説の類がたまに一、二冊書棚の本に加わる程度。おそらく巡回文庫が普及したためか!(中略)
ところが、こんなありきたりのものでは満足できないのが、愛書家だ。多少とも珍しい書物、見事に装われた書物に彼は惹きつけられる。要するに、その作りに「芸術」が不在でない書物に。そういう人間は自分の勉強部屋を持ちたがる、出来ることなら、モンテーニュの書斎のように、召使にも、細君にも、子供にも煩わされることのない。己れ自身と、名高い死者たちや、文学の天才たちと共に寛ぐことができる一種の聖堂。
(生田耕作訳)


ここで語られていることは、愛書家の常識であると同時に、狂気への始りの部分でもある。幸いわたしは、蒐めるよりも読みたい方であるので、まあ大丈夫だと思う。本を読むときの「椅子」は、もちろん気になるのであるが、書棚の材木は何がよいのか、内張りはどんな生地が適しているのかなんて、考えたことはないからね。ましてや、女性を愛書家の敵として忌み嫌ったりしたことなんてないものね。

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