158. J ティプトリー,Jr. たったひとつの・・・

「たったひとつの冴えたやりかた」(1986)は、彼女の最後の長編。
長編といっても、連作中篇集のような構成をとる。引用部は、そのプロローグの部分である。

(デネブ大学の大図書館にて)

主任司書のモア・ブルーは、フンフン鼻を鳴らして奥にひっこみ、古文書貸出し専用の円形コンベヤーに向かう。フンフン鼻を鳴らすのはなかば体質的なものだが  モアは水陸両生だ  あとの半分は、新しい利用者、あきれるほど楽天的なふたりの若いコメノへのあてつけでもある。このふたりは、”雰囲気をつかみたいので”連邦草創期の人間(ヒューマン)のファクト/フィクションを選択してもらえないかという。選択だと!モアの学生時代には、選択は自分でしたものだ。もっと骨の折れるやりかたで。ところが、このふたりは、他人の脳をあてにしている。
まあいい、望みをかなえてやろう。(中略)
「まず手はじめに、このかわいい物語を選んでみた。」
(浅倉久志訳)


・・・司書のモアが書庫から選びだした最初の物語が、<たったひとつの冴えたやりかた>=遠い星々をめざす少女の物語なのである。
SFファンにとっては伝説的な傑作、勇気と友情のロマンティック譚、オールタイムベストテンの常連。いろんな呼ばれ方がなされてきたが、誰にしたって恥ずかしげもなく賛辞を並べたくなる稀有な作品なのである。ああまだ褒め足りないか。


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