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162. マヌエル・ムヒカ=ライネス 航海者たち

「航海者たち」(1967)、邦訳は国書刊行会・木村榮一編の『ラテンアメリカ短篇集 遠い女』に収録。中世の騎士物語に模した作品は、一口に言うと、とんでもない小説である。抱腹して絶倒して、もういちどくらい抱腹し絶倒し、なんとか読み終えることができるような。

程なくして、騎士は三人の風変わりな人物と親交を結ぶことになるが、これが彼の人生を一変させる。驚異にみちた土地の探検に加わったことがあると広言しているポルトガル人のジョアン・トルトレーロ・ダ・フォンセーカ侯爵、アンダルシア出身のしたたかなペテン師ネモローソ・デ・ビリャディエゴ、そしてヴェネチアからきたという自称名家の御曹司ピラートス・ヴェンドラミン、以上三人がその顔ぶれである。(中略)ポリムニアはうさんくさい連中だと考えて反対したが、以来あの三人はロブロ・フォン・クヴァッツのそばから離れなくなった。
ポリムニアが顔をしかめたのもむりからぬことであった。というのもポルトガル人、スペイン人、イタリア人のあの三人が、食糧貯蔵室の食べ物を手当たり次第に喰い尽してしまったのだ。牛飲馬食とはまさにあのような食べっぷりを言うのだろう。書斎に陣取った三人は、片方の手に鶏の腿肉、あるいはワイン・グラスをもち、もう一方の手で天球儀や地球儀をくるくる回していた。
(入谷芳孝、木村榮一訳)


20世紀も後半になると、とんでもない小説というのも品切れになってきて、そうするとやっぱラテンアメリカだね、ということになる。ムヒカ=ライネスのこの作品は、寓話でも幻想譚でも、もちろん騎士物語のパロディでもなく、むしろ正調の王室物語の系譜に位置付けるのがいいのかもしれない、なんてもっともらしいことを書き綴っているとまた思い出してくすくすと笑ってしまうような作品。

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