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21.カルヴィーノ マルコヴァルドさんの四季

「マルコヴァルドさんの四季」(1963)、カルヴィーノが書いた児童文学。岩波少年文庫の一冊。四季折々のエピソードを綴った20の短編で構成されている。
著者自身の説明によれば、20の物語は、どれも同じような話の構造を持っている。・・・大都会に住むマルコヴァルドさんは、①身のまわりのできごとや、動物や植物など生きもののかすかな気配に、季節のおとずれを感じとる。②自然のままの姿にもどることを夢見る。③最後には、決まってがっかりさせられる。・・・というようないわば三段オチの話しなんだそうだ。いかにもほっこりとして和めそうだなぁ。でもしかしいや待てよ、カルヴィーノの作品なのだから、なにか寓意とか皮肉とか悪意とか批評のようなものが隠されているんじゃないか?

マルコヴァルドさんは、しとしとと降る雨のなか、レインコートで身を包み、フードをかぶり、モーター付き自転車のハンドルに身をかがめるようにして、町を走りぬけてゆきました。後ろの荷台には、植木鉢がくくりつけてあります。そうすると、自転車と人と植木とが一体に見えました。いや、レインコートにくるまれ身をかがめた人の姿は消え、植木が自転車に乗っているようでもあります。ときどきマルコヴァルドさんは、フードのかげからちらりと後ろを見やり、背中のあたりで雨にぬれた葉っぱがパタパタと揺れているのを確認します。そし、見るたびに、植木の背たけがのび、葉もふえているような気がするのでした。(関口英子 訳)


カルヴィーノの作品は、木のぼり男爵、不在の騎士、まっぷたつの子爵など、題材を見るとどれもジュヴナイルのような感じを受けるが、それはとんでもない!これらがジュヴナイルだとして、読み切れる少年少女が何処にいるんだいっ、と思わず言いたくなるほど濃密で難解で寓意があふれ機知に満ちている。ところが、『マルコヴァルドさんの四季』は、読んでみたらほんとうに(笑)、児童文学でした。

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