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178. エリナー・ファージョン ムギと王さま

ファージョンの『ムギと王さま』という短編集は、70歳を過ぎた作者が27篇を自選して編んだもので、原題を<THE LITTLE BOOK ROOM>(1955)という。
<本の小べや>というのは、彼女が子どものころ住んでいた家にあった部屋のことで、ここで彼女は、本と名のつくものならなんでも読むことを学んだという。

日光がさしこんでおどった、この部屋のすすけたガラスまどをみがいたり、床につもった、むかしのちりをはいたりするために、女中がほうきと雑巾をもってはいってきたことは、一度もありません。あのちり、ほこりがなかったら、「本の小部屋」は、あのなつかしい部屋にはなれなかったでしょう。星くず、金泥、花粉・・・いつかは土の下にもどり、ふたたびヒアシンスの形をとって、大地のひざから咲き出すちりあくたたちなのです。
 
「このしずかなちりこそは」と、アメリカの詩人、エミリー・ディッキンソンはいっています。
   このしずかなちりこそは、
    紳士に淑女、若衆にむすめ、
   その笑い、ちから、ため息、
    おとめらの服、まき毛。

(石井桃子訳)


27篇のどれもが、きらきらと言葉が輝く、珠玉の短編集である。
中でも「レモン色の子犬」が、わたしは大好きである。
こんな哀しくも美しい恋バナを読んだのは、初めてかもしれない。


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