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179. デイヴィッド・ゴードン 二流小説家

「二流小説家」(2010)は、ゴードンのデビュー作。主人公は、ニューヨークの冴えない中年作家のハリー、恋人にも捨てられ、今は、家庭教師のアルバイトで糊口をしのいでいる。そんなとき獄中の連続殺人犯から、独占告白本の執筆をハリーに依頼したいという連絡が届く。しかし、それにはひとつの条件が付けられていた。

ぼくがジェインに捨てられたとき、唯一、奪いあいの的となった持ち物が本のコレクションだった。ぼくとジェインは八年だか九年だかの歳月をともにすごした。ぼくたちがふたりで暮らし、その後、ジェインがひとりで暮らすようになったアパートメントの壁を覆いつくす本棚を見れば、まるで地層を読むかのように、ぼくたちの同棲生活の来歴をたどることができたはずだ。まずは、おのおのが最初に持ち込んだ蔵書の数々が恥らいがちに集う区画。そこでは、ぼくのディラン・トマス詩集がジェインのシルヴィア・プラス詩集と肩を触れあい、ぼくのロラン・バルト批評集がジェインのエドマンド・ウィルソン批評集に軽く口づけし、ぼくのホルヘ・ルイス・ボルヘスがジェインのイーヴリン・ウォーに組み敷かれている。連れ子同士の双子もいる。『フラニー』が二冊。『ゾーイー』が二冊。ナボコフの『青白い炎』も二冊。『塵に訊け!』に至っては、なぜか三冊。当然ながら、二冊あるものを半分に分け合うのはたやすい。いささかの感傷まで誘いもする。双子の本を引き離して、一冊だけ段ボール箱におさめるわけだから。
(青木千鶴訳)


「ポケミスの新時代を担う技巧派作家の登場!」というコピーに、こころを擽られた。擽られると弱いのは世の常、早速、読んでみましたとも。
・・・巧妙な設定、軽妙な語り口、濃密な展開、作中作などの満載の仕掛け、たしかにこれでもかというほど盛りだくさんの内容で、あっというまにおなかがいっぱい、面白いのかそうでもないのかもわからなくなるほど!だから読後は、ちょっと空虚な感じ。これって、傑作になりそこねてないかい?!


    まだちょっと空虚な感じにとらわれていたそんな時期に、日本での映画化が実現したのだから驚いた。驚くと同時に期待も感じた。この巧妙なアメリカのエンタテイメントの小説をどんなふうに邦画にしてくれるのだろうかと。しかし、今になって思うのは、いったいどんな成算があっての企画だったのだろうかということだけである。やるとしても、TVドラマでよかったんじゃないか。ポテチだとかポッキーだとか途中でいろいろ食べていたにもかかわらずなんだか充たされない気持ち。それなら原作の方がよかったか。少なくともなんやらかんやらでおなかがいっぱいになったから。



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