22.カミ ルーフォック・オルメスの冒険


ルーフォック


「ルーフォック・オルメスの冒険/ヴェニスの潜水夫」(1926)、
舞台はヴェニスの運河の岸辺、時は1920年代か。
地元警察の依頼で、跳梁する水中ギャングを捕縛すべく登場するのは名探偵ルーフォック・オルメスである。


ヴェニス署長; 先生、二人乗りの自転車で水中に潜ろうなんて、貴下もずいぶん大胆不敵ですなあ!
ルーフォック・オルメス; なあに大丈夫、吾輩には腹心の部下がついている。潜水自転車ギャングを追跡して奴を逮捕しようというには、この二人乗りの自転車が必要なんだ。
腹心の部下; 先生、場合によっては海底二万里くらいはお供しますよ。
ルーフォック・オルメス; 吾輩は昨日から潜水の練習をやっとる。まず手はじめに、潜水兜をかぶって、塩水の盥に頭を漬けてみた。それから徐々に、浴槽の中へ沈んで見たんだ。・・・さあ、万事OK!君は伝書鳩を持っとるかね?
腹心の部下; 持っていますよ、先生。
ヴェニス署長; 伝書鳩ですって?
ルーフォック・オルメス; 左様!いよいよという時には、水ン中で伝書鳩を放つから!君達はギャングを逮捕するんだよ!
ヴェニス署長; さっぱりわからん。
(吉村正一郎訳)


わたしの大好きな本である。特別大好きな探偵小説である。小説というよりコントのようなものでもある。なによりカミの途方もなくナンセンスでスラプスティックなストーリーテラーぶりに感嘆する。翻訳(1936,1976)も、長新太さんの装丁・挿画(1976)も、その当時としては驚くほどモダンで、カミの物語の途方もない雰囲気を見事に出していると思う。切に復刊を望むものである。

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