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183. フローベール 愛書狂

「愛書狂」(1835)は、フローベール、14歳!の作品。
実在の愛書狂殺人事件に題材をとった短編である。

物語の主人公は、古本屋のおやじジャコモ、まるで「ホフマンが夢の中から掘り出してでもきたような、不気味な顔」をしているのだという。タイトルが示すように、この男、書物のこと以外、頭にない。書物に対する愛情と情熱が、身内で彼を焼き尽くし、生活を蝕んでいたのである。

夜中、よく、近所の者は本屋の硝子窓越しに、灯がちらつくのを見かけた。その明りは近づいたり、遠のいたり、昇ったり下ったりし、そのうちに消え去ることもあった。すると、近所の連中は表戸を叩く音を耳にする。ジャコモが風で吹き消された蝋燭の火を貰いにきたのである。
そういう熱に浮かされた興奮の夜々を、彼は書物に埋もれて過すのだった。陶酔の境地で、書庫の中をせわしく行き来し、蔵書のあいだを巡り歩く。やがて、髪を振り乱し、あやしく輝く目を見すえて立ちどまると、書棚に触れた手がわなわなと震えだす。その手はじっとりと汗ばんでいる。
(生田耕作訳)


そういえば、深夜、愛する本を手に取っていると、わたしの手もわなわなと震えだし、じっとりと汗ばんでいることがある。きっと書物の毒と熱に知らぬまにやられているのだろう。自戒し、早寝に努めよう。それしか対策はないのだというから。

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