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197. リラダン イシス

「イシス」(1862)は、リラダン、23歳の作品、未完の長編小説である。
女神イシスのこの世の再来と見立てて、<チュリヤ・ファブリヤナ伯爵夫人>という一人の女性の姿を描いている。ひたすら彼女を描写することでこの物語一巻すべてが終始している。

この不思議な図書室は、稀覯の書籍や、珍奇な稿本や、未知の文献の宝庫であつた。その中の多くは宗教的な紋章を捺印してあつたが、それらはイタリヤ、サルデニヤ、ドイツの修道院から到来したものであつた。僧院の火災や掠奪から難を免れたこれらの資料は、百年ばかり前に世を去つた二人の博識な僧によつて、一つまた一つと、研究と忍耐とを以て蒐集されたものであつた。
(中略)
古代のものとしては、先づ第一に、例へば、サマリヤのヘブル語から転写された正真正銘の原本(テクスト)が幾つかあつて、その意義は、その真の鍵を握ってゐた少数の道士ら以来、解釈せられずに留まつてゐたものであるが、それが幾人かの修道士によつて書かれた注解の中で、幾通りかのやりかたで提案されてゐたのである。
(齋藤磯雄訳;原文の一部を、現代漢字に変更した)


引用は、第七章「未知の図書室」から。この一章をまるまる充てて、妖しの館と呼ばれたファブリヤニ伯爵邸に設けられた壮麗で神秘にみちた図書室について描いている。
リラダンは、自らが愛してやまない古代世界の精神を一歩も外すことなく、作品のなかに理想の極致を描きつづけようとした。この章についても然り、彼の理想の極致としての図書室と、書物に纏わる哲学を饒舌に語っている。

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