205. アルフレッド・ポルガー すみれの君

「すみれの君」(1920年頃)、邦訳は池内紀編・訳の短編集『ウィーン世紀末文学選』に収録。第一次大戦後のウィーンを舞台にした、”軽妙にして優雅な”掌編である。

ルドルフ・フォン・シュティルツ伯爵はフランツ・ヨーゼフ皇帝麾下の中尉にして骨の髄まで騎士だった。連隊にあってワルツを踊らせては右に出る者がなく、並外れてのトランプ好きで山のような借金があり、色ごと、決闘沙汰は数知れない。きざなほどノンシャランな態度や物腰、歩き方、もの憂げに鼻にかかった声からしても、典型的なオーストリア貴族というものだった。伯爵は湯水のように金を使った。女友達には目をむくような高価な品を贈り物にした。きまってパリ特選の香水(パルムのすみれ)を添えてやる。そんなこともあり、かつまた陽気にのぞきこむ淡青色の眼のせいもあって、劇場筋の女たちから〈すみれの君〉とよばれていた。
(池内紀訳)


いったい菫色というのはどこに属するのか。たとえば、ホフマンのクルミ割り人形の洋服の色!中世の諸侯にあれほど愛された花!
青の仲間か、それとも赤のグループか。わたしは、もちろん青に属すると信じているのであるが、頷かない者も多い。また紫だろうと無粋なことを言う輩もある。いったい・・・。
そんなとき、青派にとって頼もしい文献が出て来た。それが本作である。世紀末のウィーンではそれは淡青色に似たものであった。

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