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207. デュマ・フィス 椿姫

わたしはパリに行く度に(本当は一度だけしか行ったことがないわけだが)、通りの向こうから青い箱馬車がやってこないかどうか見渡してしまう。それはもちろん時空を越えてあのマルグリットが現れないかと思っているからである。それが無理ならプリュダンスさんでも・・・、

私はシャン・ゼリゼでよくマルグリットに遇ったことを思い出した。彼女は毎日欠かさず、たくましい二頭の鹿毛の馬に引かせた小型の青い箱馬車に乗ってやってきたものだ。そしてまた彼女には、そういうたぐいの女にはあまり見かけないような、一種の気品がそなわっていたことを思い出す。それは比類のない美しさをさらにいっそう引き立てるような気品であった。
(吉村正一郎訳)


「椿姫」(1848)を久しぶりに読む。すると最近読んだ丸谷才一の「持ち重りのする薔薇の花」という小説のことを思い出した。少しばかり物語の構成が似ているのである。二人の男の会話の中で物語が回想される。聞き手は、椿姫では作家であるし、後者では編集者である。そして、共に恋愛譚が展開されていくことになる。しかし、似て非なるものでもある。前者がデュマ・フィスが20歳で書いた純愛物語であるのに対し、後者には谷崎や川端流の淫靡さが混じっている。どこで、こんなに違ってしまうことになったのか。ひとつ思うのは、共に自分の年齢にふさわしい作品を書いたということである。

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