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209. サリンジャー ド・ドーミエ=スミスの青の時代

「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」は、短編集『ナイン・ストーリーズ』(1953)に収録の一篇。
作品のタイトルは、ピカソの<青の時代>を踏まえたものであるらしい。

わたしは十九歳、無帽を気取り、一インチほどの面皰だらけの額から、さして清潔でもない黒髪をヨーロッパ・スタイルのオールバックに掻き上げていたが、そのわたしに向かって運転手は、場所柄を考えてのこととも思われる、低めた声で言ったのである。「よしきた、あんちゃん、ひとつそのケツを動かしてもらおうぜ」この「あんちゃん」が決め手だったと思う。わたしは少々身をかがめるだけの労さえ取らず、すなわちこの運チャンのように人には聞かせぬように、あくまで礼節を守ってという配慮すら示さずに、フランス語で彼に言ってやったのだ  彼は粗野で、愚鈍で、横柄な低脳であり、わたしがいかに彼を嫌悪するか、とうてい彼には見当もつかないであろう、ということを。そして、いささか軒昂となったわたしは、おもむろにバスの「奥へつめて」やったのである。
(野崎孝訳)


まだこの作品集では、グラース家の物語は始まっていないのであるが、既にここにはシーモアが居り、バディが居り、フラニーやゾーイーがいるような気はするのである。ほんとうに居るかどうかは、ちゃあんと読み返さないとわからない。村上さんに改訳される前に読まなくちゃと思う。


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あけましておめでとうございます。
村上さんに改訳される前に・・・というところ、笑ってしまいました。^^
野崎孝さんの訳は最高ですよね。
今年もよろしくお願いします。

こんばんは

笑ってもらってうれしいです^^

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
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