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218. グレッグ・イーガン プランク・ダイヴ

「プランク・ダイヴ」(1998)、邦訳は同名の短編集(山岸真編・訳、早川文庫)に収録。イーガンらしいガチガチのハードSFであるが、同時に人間と少女についての優しい物語でもある。全7篇が収められたこの作品集は、イーガンの邦訳短編集としては最新作が揃ったものであり、とてもレベルが高い。中でもこの標題作には、心と脳が強く揺さぶられました。

「オリジナルの波の間隔は、正しい速度を持つ成分によってのみ再現される。そうした成分は、すべてがきれいに重ねあわせられ、オリジナルの波をそっくりにたどってコピーする。まちがった速度を持つ成分は、フェーズをごちゃまぜにするので、それが作りだすコピーはすべて相殺される」ヴィクラムは波にそって百の地点で構造全体を再現し、それは整然と未来へ伝播していた。「湾曲した時空では、このプロセス全体がゆがめられる  しかし、対称性が正しければ、波長が縮み、周波数が上昇しても、波の形は保たれる」ダイヤグラムをたわませて、実証したてみせる。「これがおれたち自身の置かれている状況だ」
コーディリアはその話のすべて理解し、走り書きで計算し、あらゆることをクロスチェックして得心がいったようだ。「そこまではわかりました。では、なぜそれは破綻しなくてはならないんです?なぜわたしたちは青方偏移したままでいられないの?」(山岸真訳)


これはブラックホールへの突入の物語である。物理学の観点でプランク長スケールでの時空の構造を知るためには、そこに飛び込む必要がある。しかし、そこでは有限時間で空間そのものが押しつぶされてしまうので、ダイヴァーたちは(といってもクローンであるが)圧死してしまう運命にある。・・・というのが本篇の粗筋であるが、これを理解するのに長い時間を使い頭をひねることになったとしても、それが物語の主題ではないというのがこの作品の読みどころなのであるから、念のため。


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