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24.ミルハウザー ロバート・ヘレンディーンの発明

「ロバート・ヘレンディーンの発明」(1990)、ミルハウザーの第二短篇集、『バーナム博物館』に収録の一篇。
得意の「自動人形物」の変形とでもいうか、ともかく奇妙で歪で耽美な幻想譚である。とてもミルハウザーらしい物語である。とわたしは思う。柴田さんの翻訳も冴えている。

どの町並も僕たちを楽しませた。平屋住宅の並ぶ一画では、どこも決まって同じ形のバスケットボールのゴールがあって、細長い精緻な、平行四辺形に終わる影を投げかけていた。のどかな裏道は、背の高いスズカケノルウェーカエデの影に包まれていた。小さな繁華街のウィンドウには、赤と黄のディスプレーが並んでいる。明るい緑のセロファンに包まれ、バスケットに入ったチーズ。華やかに陳列された、バレーボールやきらびやかなテニスラケットやエクササイズ用自転車。コップの水の中で上ったり下ったりをくり返している腕時計。きつく止めた巻き毛の黒髪、黄色いビキニ、それに銀色のサングラスをかけたマネキン人形。これらのディスプレーに、オリヴィアは食い入るように見入った。細部のちょっとした不釣り合いを探し出すのが彼女の楽しみだった。たとえば、エクササイズ用自転車の黒光りする座席に、白いプラスチックのスプーンが載っていることとか。(柴田元幸 訳)


引用文中の「彼女」とは、念の為に書き添えると、主人公が虚空の世界に作り上げた幻の人間である。その彼女が見つめる 「自転車の座席にプラスチックのスプーン」、・・・もちろんここから想像してしまうのは解剖台の上のミシンと蝙蝠傘だったりするのであるが、ミルハウザーが示すのはもっと具体的で多彩なイメージのようで、物語が連れて行ってくれる先もまた違うのである。

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