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25.L・M・ボストン ふしぎな家の番人たち

「ふしぎな家の番人たち」(1974)、ボストン晩年の作。彼女の代表作 『グリーン・ノウシリーズ』 と同じ「家」がモデルになっている。それは、彼女が死ぬまで住んでいた英国のヘミングフォード・グレイのマナーハウスであり、現在はボストン記念館になっている家である。・・この中篇は、少年がその家にしのびこむところから物語が始まる。古くて静かな屋敷が隠し持つもの、そこに宿っているものに出会うことになる。そこで不思議なものたちに出会い不思議な経験をすることになる。

トムはロバのお面をかぶって、女主人の鏡をのぞきこんでみた。家に帰って、このお面をかぶってみせたら、きっとみんな、大笑いするだろうなあ。わらのお面だから、そんなに高価なものじゃないしな。
トムはそのまま階段をおりていったが、ふと、あとをついてくるものに押されたような気がした。だれかが階段の二段上にいて、とむより強く段をけっている。トムはようやく、それが自分の後ろ足だと気がついた。(中略)
トムは新しい四本の足をためしてみなくちゃ、とうきうきしながら、ドアの外へはねていった。鏡の中のロバも、するりと抜け出して、トムについてきた。二ひきのロバは、いっしょにかかとをけりあげ、広い庭でぐるぐるおいかけっこをしたり、あちこち出たりはいったりした。(中略)
トムは背中を地面にこすりつけ、四本の足をばたんばたんと左右にたおしたり、自転車をこぐようにまわしたりした。自転車をこぐといえば、なにか忘れていることがあるような気がした。トムは前足を地面につき、後ろ足をからだの下にたくしこんでから、立ちあがった。そういえば、もうどのくらいここにいるんだろう?庭師が帰ってきたらどうしよう?(卜部千恵子訳)


少年が出会うものは、美しくて怖いものである。二度と来たくはないような経験をするのである。でも、時間が経って思い返してみると、その場所に戻ってみたくなる。そこはぼくがぼくでいられる場所だったとそんな気がするのである。そんな家。

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