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230. エイミー・ベンダー 指輪

「指輪」は、彼女のデビュー短編集、『燃えるスカートの少女』(1998)に収録。どの作品も、エイミー独特の直截的な言葉と感情が飛び交い、奇怪で奇妙に熱を帯びた風変わりな物語が展開されるのであるが、それでいてちゃあんと自分を見つめている「私」の姿が見えているので、読み手のほうも物語の中で迷子になる心配はない。安心して読もう。

お昼ごはんの一時間後、私たちは泳ぎにいった。私は二杯めのピニャ・コラーダのおかげで、ちょっと酔っていた。ルビーの指輪が抜けて水に落ちた。海が紅く染まった。(中略)
私の泥棒は青ざめ、泣き出した。これは海だよ、と彼は言った、いったい何をしてくれたんだ。そして私はいった、忘れてた。彼はいった、これはひどすぎる、緑の指輪を投げこめよ。そして私はいった、でも塩は塩のままだったわよ。彼はいった、やるんだ。それで私はいわれたとおりにした。緑色の指輪をはずし、それを小さな深紅の波の弧の下に放り投げた。何も起こらなかった。泥棒は泣きつづけた。おれは海のそばで育ったんだよ、と彼はいった。青が好きなんだ。
(管啓次郎訳)


「指輪」は、エイミーらしい一篇。奇妙で奇抜で、でも颯爽としている。『私は泥棒に恋し、彼は私を仕事に連れていった』という出だしの一節でもうやられてしまって、あとはもう最後まで笑いっきり、こころを揺さぶられっぱなし。


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